デンマークでは400年続いた書簡サービスが廃止され、今年6月から町中の郵便ポストも順次撤去されることになった。
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BBCのサイトから |
世界のなかでもとりわけデジタル化が進展しているデンマークでは、郵便局による手紙の取扱い数量が激減している。今世紀に入ってからは、14億通だったのが昨年度は1億1千万通と9割以上の減少である。
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デンマークでの手紙の取扱量 |
また、デンマークでは現金を使う人はほとんどおらず、人々は運転免許証や健康保険証さえもスマートフォンで持ち歩くらしい。デジタル化できるものはすべてデジタルにしちゃえ、とばかりに社会システムを変革している様子が窺える。
運転免許証にしても健康保険証にしても重くて持ち運びが大変といったものではなく、利用者側の日常のメリットはさほどない。一方で、すべての記録がデジタルで保管できるので為政者側にとってはさまざまなメリットが考えられる。
国民がそうしたこれまでの社会インフラのデジタル化の推進に歩調を合わせられるかは、政府がどれだけ信用されているかにかかっている。その点で翻って日本はどうか、ということに思いが行く。
それはさておき、町中から郵便ポストがなくなり、手紙を書くということが日常からきえていくことは寂しい気がする。電子メールですべてが置き換えられ、やがて手紙を書いたり受け取ったりしていたことすら人は忘れていくのだろうか。
日本でもやがて、と思わせるニュースである。