街の中心部にあるフォートカニング・パークは、標高160メートルほどの小高い丘である。そこが見事な公園になっている。
午後、出かけた際にその公園を抜けて目的地へ行こうとしたら突然途中でシャワーに見舞われた。シャワーと行っても、最初はポロポロと来ただけだったので10分か15分かで止むと思い、大木の下で雨宿りをしていたのだけど、急に雨脚が強まりどうしようもなくなり、公園内のホテルに飛び込んだ。
とにかく建物のなかに入らなきゃと一番近い扉を開けて飛び込んだら、その扉はホテルの厨房の裏口(つまり搬入口)だった。そこいた厨房スタッフの人たちにゴメン、ゴメンと言いながら奥へ進み、ホテルのレストランの真ん中を通ってフロントのところへ出た。
雨はなかなか止まず、結局そのあと、40分近くロビーで雨が止むのを待たせてもらった。ただ、こうした天気はこの国では珍しくないわけで、今日の僕のような客、いや正式には客でもなんでもない人間も温かく放っておいてくれるだけでなく、ホテルのスタッフはみんな、僕の前を通るときには軽くお辞儀をしていってくれる。もちろん僕もそれを返す。