コラムニストの小田嶋隆さんがなくなった。65歳。面識はないが、同じ時期に大学の同じキャンパスにいたはずである。
訃報で「反骨のコラムニスト」「反権力のコラムニスト」と彼が呼ばれているのは、日本ではそうしたはっきりものを言う文筆家があまりに少ないから。
彼のことを詳しく知っているわけでも思想的な背景を理解してるわけでもないが、書かれたものを読む限り、彼は反骨ではあっても反権力を標榜したわけではないように思う。彼は、右も左も関係なく、ただ理屈に合わない考えやそれにもとづく言説を黙って認めることができなかったリベラリストであっただけ。
そうした彼に「反権力のコラムニスト」というレッテルを貼ったのは、恵まれた組織(大企業)内にいるがため直言したいが彼のようにはなれない、へたれメディア人たちである。