2026-02-17

追悼。ロバート・デュバル、フレデリック・ワイズマン

ロバート・デュバルとフレデリック・ワイズマンの訃報を聞いたのは、ほとんど同じタイミングだった。

R・デュバルは、役者として派手さはないが、善人でも悪人でも、小人物から大いなる権威者まで自由に演じることができた米国人俳優で、名脇役と言われるひとりだった。彼が出演した最も早い時期の映画は「アラバマ物語(To Kill a Mockingbird)」 のBoo役。役柄、台詞はなく、本棚にあるそのDVDのパッケージを見てみたが、クレジットはなかった。

英国のマイケル・ケインと並ぶ、自由にそのキャラクターや色を自由に演じられる役者の中の役者というのが僕の評価である。地方の劇団出身で、舞台からテレビや映画に確約の場を拡げたのもマイケル・ケインと似ていた。これまでの彼の映画出演作を数えようとしたのだけど、多すぎて止めた。2022年に最後の映画出演をしている。享年、95歳。

同じ日、映画監督のF・ワイズマンが亡くなったニュースが届いた。半世紀以上にわたってドキュメンタリー映画を制作してきた比類なき映画制作者で監督だった。ドキュメンタリーでありながら、その映画にはインタビューもナレーションも挟まず、淡々と映像をつなぎ紡いでいくことでその実体を観るものに伝えた。

彼が作品の舞台として選んだのは、公共図書館、美術館、ボクシングジム、市庁舎、州議会、公立高校、大学、病院、刑務所、食肉加工工場、裁判所などであり、彼の問題意識はそうした場あるいは組織の持つ制度や権力の構造といったものだった。 
https://tatsukimura.blogspot.com/2022/01/blog-post_73.html
https://tatsukimura.blogspot.com/2019/06/blog-post_26.html 

2023年製作の「至福のレストラン 三つ星トロワグロ」が最後の作品。紛れもないドキュメンタリー映像製作の巨匠だった。96歳。