リニア中央新幹線の開業は、今から5年後の2027年が予定されているらしい。
2022年5月31日
リニアって本当に必要なのか?
2022年5月30日
長寿を日本人の誇りとする
ロシアによるウクライナ侵攻は、長期化の様相を見せている。ウクライナは、自らの国家としての独立と誇りをかけて国を守り続けようとしているし、ロシアも諦めることなくしつこく攻め続けている。
プーチンがウクライナを併合したがっている理由の1つとして、ロシアの人口減少が指摘されている。かつてのソ連時代は2億人弱だった人口が、現在は1億4000万人。そして、ロシア人は他の先進諸国のなかで平均寿命が短い。人口が増えにくいのだ。
下図は、米国、EU、日本とロシアのそれぞれの国民の平均寿命の推移を示したものだ。2019年時点で日本が84歳、EUが81歳、米国が78歳に対して、ロシアは73歳である。
とりわけ寿命の短さは、ロシアの男性に著しい。ロシア人男性の平均寿命は68歳で、女性の78歳に比べて10歳も短い。理由はいろいろ考えられるのだろうが、ウォッカの飲酒が理由の1つだと聞いたことがある。
一方日本は、順調に平均寿命を延ばし、2019年のデータによると国別では世界一である(男女の性別で見ると男はスイスが世界一で、日本人男性は82歳で世界二位)。 われわれ日本人男性は、ロシア人男性よりなんと14歳も平均寿命で長生きしている。
今さらながらだが、こんな幸せなことがあるだろうか。メディアなどで人生100年時代と語られる際には、どうやってわれわれはそこまで「生きながらえるか」という悲壮感や不安感が裏側に貼り付いているが、考えるまでもなく、短命より長命である方が幸せに決まっている。
幸せとは心の状態。金銭的な豊かさや肩書きとは関係ない。そもそも歳をとると、肩書きにしがみついていることほどみっともないことはないし、金はあればあったで困りはしないが、なければないで仕方ないと思うしかない。
気分を高く持ち、幸せな気持ちを保ちながら生きていくことができれば、日本人は世界でもっとも恵まれた、ほかの国が憧れる国になることができる。
そのために必要なこと。それはとにかく社会的な不安感を払拭すること。そして個人が、競争だけでなく助け合いや分け合いの意義を理解し優先していく気持ちを普通に持てるようになること。それしかないと思っている。
2022年5月27日
「環境保護の観点から有料とします」の奇妙な理屈
KDDIから「紙請求書発行条件の変更に関するご案内」と題した文書が届いた。
目を通すと、冒頭から「環境保護の観点から紙請求書の発行を有料とさせていただきます」と書いてある。「環境保全と気候変動対策として紙請求書の削減」が必要だという。
ひと月にA4一枚の「利用料金のご案内」が環境負荷になるというのだが、これはあまりに利用者を阿呆扱いしている。
auの店に行くと、数え切れない種類のパンフレットが大量におかれ店頭で配布されている。僕はそれが悪いともおかしいとも思わないが、言うに事欠いて利用者に毎月送っている利用明細書1枚が環境負荷にあたると主張するのか。
彼らはただ印刷代と郵送料を省きたいだけなのは小学生にだって分かる。それなのに、環境保全という大義を振りかざして「1通220円」の手数料をペナルティとして客から取るらしい。
その追加収入は、森林整備や植樹費用にでも回すのかね。あり得ない。会社の利益として計上するだけだろう。
こうした見え透いたおためごかしが顧客に通じると思っているその発想が空々しく、貧弱すぎて情けなくなる。
2022年5月22日
何とかと煙は、高いところが好きだというから
2022年5月8日
日本の交通渋滞は、今も季節の風物詩だ
大型連休(ゴールデンウィーク)が終わった。GWにともなう高速道路の渋滞のニュースを聞くにつれ、「働き改革」なんてものは一向に進んでいないことが分かる。
「働き改革」は「休み方改革」であり「生き方改革」のはずだが、10年一日のごとく連休の始まりは高速道路の下り路線で、そして連休後半に差し掛かった頃からは上り路線で車が渋滞する。今年、その長さが40キロにものぼった高速道があった。
昔ながらの「官製休暇」にしたがって国民全員が休みをとるものだから、こうなるのは当然である。
オフィスに行かず、自宅や好きな場所で仕事ができるリモートワークは進んだが、好きな時に好きなように休みをとることはまだできないみたいだ。どうすれば、こうした一極集中をなくすことができるんだろうか。
GW、夏のお盆、年末年始の交通渋滞。コロナ禍の2年間を除き、何十年と同じことが繰り返されている。
これはもう日本の風物詩くらいに考えておいたほうがいいのかもしれないが。
2022年5月6日
日本人の「働きがいスコア」は56%か、それとも9%か?
3日ほど前のこのブログで、日本経済新聞で日本人ビジネスマンが仕事に働きがいを感じている比率が6割弱(正確には56%)と書かれていたことにふれた。
今日、テーブルの上を片付けていたら、同紙の2021年8月30日の記事が出てきた。「仕事の熱意、日本低く」という見出しの記事で、そこでは日本で働きがいを感じている人は9%だと書かれている。
昨年8月30日の同紙記事から |
その記事によれば世界平均の値も35%であり、66%とした先日の記事と数値が大きくかけ離れている。
「日本人で働きがいを感じている人」の割合は56%なのか、それとも9%なのか? 個人的な感覚では、9%とするこちらの数値の方がずっと納得感がある。実際に企業で働いているひとなら、ほとんどがそう感じるんじゃないかと思うけど。
調査方法が違うのだろうが、それにしても差が大きすぎる。
2022年5月4日
2022年5月3日
「仕事に熱意」6割弱は上出来だと思う
これは2、3日前の日経朝刊一面の見出しである。なぜかこれが問題らしい。いや、問題にしたいらしい。
僕は、仕事に熱意を持っている人が6割弱もいるのは大いに結構なことだと感心するのだが、どうもこの新聞の論調はそうではないようだ。世界平均と10ポイントほど乖離しているのが気に入らないらしい。
それを示したのが下記の真ん中のグラフだが、奇妙なグラフである。「10ポイント差」を否が応でも読者に強調して見せたいらしい。縦軸の基点を55でなく、普通に0からとれば印象はまったく違ったものになる。
そもそも世界平均の半分とか3分の1というのなら、まだちょっと真面目にそのあたりの理由を考えてみようという気にもなるが、10ポイント程度の差で騒ぐのはどうかと思うし、その差はグラフを見る限りここ数年大きな変化は見られない。
調査で「会社に所属する誇りがあるか」だとか、「与えられた仕事以上に取り組む意欲があるか」だとか、こうした問いに対して<大いにある>と応える人の国民性とそうではない(日本人のような)国民性があるのを無視して「差が埋まらない」ことを嘆いても始まらない。
朝刊一面トップの、この10段抜きの記事が言っているのは、日本の労働者の総労働時間や残業時間は減っている、有給休暇の取得率は上がっている、したがって「働きやすさ」は大幅に改善した。ところが、「働きがい」のスコアは世界に見劣りしている。そして、「働くことに幸せを感じる」社員が多いほど、業績がいい。だから企業は社員の幸せ感を高めなければならない。ということらしい。
理屈がヘンだ。そもそも「働きやすさ」が何を指しているのか、分からない。勤務時間や残業が短かければ働きやすいとしているが、人々が感じる働きやすさは決してそれだけではないと思う。
また、「労働時間が短い」働きやすい職場の労働者は働きがいを感じるはずだという、理屈のわからない思い込みがあるみたいだが、人間はそれほど単純ではないのだよ。
そして一番下のグラフで、働く幸せを感じている人の比率が高い企業ほど、業績がよくなっていると指摘しているが、なぜそんな因果関係を勝手に思い浮かべるのか。
社員をハッピーな気分にさせさえすれば会社が儲かるのであれば、経営者の仕事はこの上なく楽だ(でもそうじゃない)。
社員の幸せ感と業績に相関関係があることが認められたとしても、それは業績が向上している会社はそうでない会社に比べて社内の雰囲気も悪くはないだろうし、またボーナスの増額でもあれば社員の幸せ感が上がるのは容易に想像できる。
つまり、因果関係の矢印を引くとすれば、それは新聞記事の主張と逆方向と考えるのが常識的だろう。