今日のN本経済新聞は、こう書く。
芸能界のコンプライス(法令遵守)が話題になっている。吉本興業では所属タレントが会社を通さない「闇営業」で反社会的勢力の集まりに出席していたことが発覚。ジャニーズ事務所を巡っては、テレビ局に同事務所を退所したタレントを出演させないよう働きかけた疑いがあるとして、公正取引委員会が注意した。「闇営業」が批判されるべきと言いたいのか、反社会勢力の集まりに芸人が出席したことが許せないと主張しているのか判然としない。あえて判然とさせてないように思う。
芸人が所属している事務所を通して仕事しようがしまいが、それは彼らの間でのこと。新聞記者がどうこう言うことじゃない。また反社会的勢力の集まりに顔を出したのがコンプライアンス違反だと糾弾したいのであれば、その前にそうしたことを日常的にやって来た政治家を指弾しなけりゃ筋が通らない。
政治家は怖いから物が言えないけど、芸人をよってたかって叩くのはたやすいからそうしてるだけと見られてもしかたないだろう。
ジャニーズ事務所がテレビ局に働きかけたというのも、さもありなんだろう。もちろんおかしいし、上品なことじゃない。だけどテレビ局が大人なら、それを無視すればいいだけの話だ。周りがしょうもない正義感をふりかざす必要には及ばない。
記事の冒頭で、法令遵守と括弧付きでコンプライアンスなどときいたふうな言葉を振りかざしながら、その本当の意味を分かっていない記者が薄っぺらい知識でテキトーに書いた記事。だからか署名もない。
また記事に、
「吉本」「芸能人」などの言葉を含む491件のツイート(10%サンプル値)を分析した。とある。最近は、ツイートで誰が言ったか分からないような言説をもとに、新聞記者はさもそれが世間の見方のような記事を書くのか。楽なもんである。
ところで記事中の(10%サンプル値)って何だ。これまで市場調査を多数やってきたが、こんな書き方見たことない。新聞社の他の人たち、意味が分かってるの?
「闇営業」という言葉がこの事件(?)をきっかけに普通に使われるようになったようだけど、それって何かよく分からない。所属する会社の正規のルート外で仕事しただけと違うのか。
「闇」だとか、そこまで大げさな表現を振り回す必要があるのだろうか。「闇」と「副業」とは何が違うの。
むかし広告の制作やイベント・プロデュースの仕事をしていたとき、勤めていた会社の本業以外のそうした仕事は単純に「アルバイト」と呼ばれていた。能力のある連中ほど他社から声がかかり、アフターファイブにこなしていた。ただそれだけのこと。