2022年2月9日

高梨沙羅選手の失格について思う

スキーの高梨沙羅選手が混合団体戦の1回目のジャンプのあと、ウェアの検査でそれが失格になった。

胸が苦しい。この件に関しては、素人ながらいくつか疑問があるんだ。
 
彼女がジャンプの際に来ていたスーツが検査で規定以上に大きかったと言うことらしいが、その検査はどこの誰が行ったのか。太ももが規定(選手の身体とスーツ寸法の誤差)より2センチ大きかったということだが、どうやって測ったのか。ただ、彼女は失格、という判定だけなんじゃないか。

確かにジャンプ競技の性格を考えれば、どんなスーツでもいいというわけにはいかないだろうからそれなりのルールは必要だろうが、そうした検査は選手がジャンプする前に済ませればいいんじゃないのかね。

もっと不思議なのは、ジャンプ後のスーツチェックはすべての選手に対してではなく、抜き打ちで1部の選手にだけ行われるということ。

検査するなら、出場選手全員に対して同じ検査が行われてしかるべきだ。そうでないと、たまさかその検査対象に選ばれなければ<オーケー>ということになる。

彼女が使ったのは、1日前に出場した個人戦で着ていたものらしい。人間の体は食事や体調、環境などで変わる。国際スキー連盟は、日々変わるそうした微妙な体型変化に合わせてすべて調整しろというのだろうか。針と糸でちょちょっと、というものでもないだろう。

今回の判定は、とても不自然。どこでどんな力学が働いているのか、気にかかる。
 
当日のジャンプ用スーツを選んだのは高梨選手本人ではなく日本チームのコーチだったとか、団体戦で一緒だった小林選手が彼女に温かい言葉をかけたとか、いろんな話がくっついて報道されているけど、問題の核心はそんなところではないはず。