2012年9月30日

歩いて5時間の村のカーディガン

朝夕寒くなってきた。今朝、扇風機を物入れにしまった。そして、外出用に先月ペルーのクスコで買ったアルパカのカーディガンを用意した。

クスコは、標高3400メートルの町である。だから、昼間は汗ばむほどでも、夜明け前や夜は肌寒さを感じた。そして僕は夏のニューヨークから来たため、防寒具は何も持って来なかった。

クスコに到着した翌日、セーターか何かを1枚買おうと町に出た。町の中心部のある広場に面した店で、シンプルなデザインのカーディガンを見つけた。ベイビー・アルパカの毛が100%使われている保証書がついている。値段もそれなりなので、値切り交渉に入ったけどなかなかまけてくれない。

シャキシャキした若い女性の店員さんが言うには、地元の女性と子どもを支援するためにフェアトレードを行っているのでまけないとのこと。確かにそうしたパンフレットも置いてある。Consortia Trinidad Enriquez という団体だ。

誰が作っているのか尋ねたら、近くの村に住む子どもを持つ女性にセーター編みの技術指導をし、できた製品を買い取っているとか。村の名前はマルカパタ(Marcapata)だという。場所はどこかと聞いたら、「ここから歩いて5時間ほどのところよ」と返ってきた。

セーターやカーディガンを編んでいるお母さんたちは、編み上がると片道5時間の道を歩いてクスコに持ってきているのである。日帰りだろうか、それとも店に買ってもらった代金の一部で町に一泊していくのだろうか、などと考えながらそれでも値引き交渉を続け、最後には彼女から "You are terrible!(あなたって、サイテー!)" と言われ、"Everybody says so.(みんなそう言ってる)" と応えながらも少しばかりまけてもらって購入したカーディガンだ。これからしばらくお世話になろう。

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