留学を考えている社会人大学院生たちの集まりが、早稲田通り沿いのレストランであった。彼らは定期的に集まっては情報交換をしているらしい。その会でのスピーチを頼まれた。
留学を終えて帰国したときに感じる「違和感」をできる限り長く忘れないようにとの思いを込めて、帰ってきたら意識的に行った先の国に「かぶれろ」という話をさせてもらった。アメリカかぶれ、とかフランスかぶれとかだ。
話をしている相手はみんな社会人経験のある大学院生たちだからこそ、こうした話を敢えてさせてもらった。何々かぶれなんて、本当は褒められたものじゃないのは百も承知だ。けれど、どうせ帰国して半年もすれば、日本という国の古めかしい制度や個人を拘束する日本人のしきたりなんてものにも、いつの間にか再順応するはず。だからこそ、少しでも長く日本という国に「違和感」を感じて、そしてその意味するところを考えて欲しいと思っている。