2010年12月11日

見てるようで、見ていない

昼間、通信会社から携帯に電話が入った。自宅のネット回線をADSLから光に変えるため、建物への引き込み工事について調査をするという。

調査する回線工事会社が建物を特定するために、住んでいる建物の外壁の色を教えてくれという。はたと考え込んだ。何色だったか・・・。もう10年近く住んでいる建物だ。自分で「知らないはずはない」との思いが脳裏を走る一方で、思い出せない。風景を思い起こそうとするが、建物の色が浮かばない。

なんだかばつが悪くて「分からない」と言いそびれ、つい勝手な想像でグレーと答えた。帰宅した際に見たのは茶色の建物だった。毎日見ているはずなのに、見ていなかった。

人は見たいもの、自分が興味があるものしか見ていない。テレビの広告はまさにそうだ。また、店頭に並ぶ数々の商品もまったく同様。企業は、自社の流す広告は自分たちのターゲットが見てくれているものと思ってしまうところから、計画が単なる思惑に終わってしまうことになる。