2009年12月17日

忘年会

今年のゼミは今週の火曜日で終了。来春修了予定の人たちは修士論文の最終の仕上げに忙しいなか、ゼミ修了後に忘年会が開かれた。

場所は、早稲田から高田馬場の途中、住宅街のなかにポツンとあるピザ屋さん。無口だけど気が利く2人の女性が接客してくれる、ちょっと不思議な感じの店だった。途中からこの9月に修了したOBも参加し、賑やかな夜を過ごした。

2009年12月4日

変異型クロイツフェルト・ヤコブ病と献血

駅前で日本赤十字社の献血活動に出くわした。多少時間があったので、献血をしようと申し出た。しかし、事前アンケートのようなものへの記入をした後、丁重に献血を断られてしまった。一人でも多くの献血協力者を求めているはずが、である。

説明を聞くと、1980年から1996年の間に英国で一泊でもしていた場合、その人は献血ができないということらしい。当時英国で騒がれていた狂牛病の感染への予防措置が目的だという。この病気、正式名称は変異型クロイツフェルト・ヤコブ病と呼ばれている。僕は1991年から1992年のあいだ英国に住んでいたので、このガイドラインに照らせば完全にアウトである。

狂牛病については、当時から潜伏期間はかなり長いと聞いていたが、20年近くたってこの病名に日本で出くわすとは夢にも思わなかった。お礼だというコーヒーのパック飲料と救急絆創膏のセットだけ受け取って、仕方なく立ち去った。

2009年12月3日

「頼れる課長」

今月号の「図書」(岩波書店) に、作家の三浦しをんさんが「頼れる課長」というタイトルで国語辞典をネタにエッセイを書いている。

彼女が出版社の辞典編集部を訪ねた際に観察した編集部員の記述がいい。膨大な冊数の資料が蓄積され、想像を絶する校正刷りの山が築かれている部屋で、部員たちは「情熱的に、黙々と」仕事をしているというのだ。普通では相矛盾するこうした2つの表現も、実際に辞書の編集者たちに会ってみると、なんら不思議ではないらしい。

辞典や辞書は、今の僕たちの時間感覚からすると尋常ではないほどの長い時間をかけて紡ぎ出される。当然、それは長い時間をかけるだけではなく、まさに情熱を胸に秘めた編集者たちが黙々と取り組むことでやっと改訂版ができあがる。

最近の学生たちは、分からないことがあるとウィキペディアにあたる。膨大な数の用語や記事を収め、手軽で無料、ハイパーリンクで芋づる式に手繰っていけるなど、確かに有用性は高い。けれど、記事の内容は玉石混淆。そこでは、よい辞典・辞書が提供してくれる、プロの著者と編集者によって表現された簡潔にしてよく練られた的確な説明はあまり期待できないのではないか。

学生たちの書く日本語が、ちょっと気になっている。気になっている点の1つは、言葉の意味を正確に理解しないで使っていること。話し言葉と書き言葉の違いをきちんと理解していないところがあるのかもしれない。書くためには、正確に言葉の意味を分かっていなければならないし、そのためにはよい辞書をまめに引き覚えるしかない。ま、もちろん、電子辞書でもいいのだけれど。

2009年12月2日

デルのダイレクトモデル

今週の「顧客関係性マネジメント論」は、元デルのマーケティング・ディレクターで、現在はローランド・ベルガー社パートナーの平井さんに来てもらい、所謂「デルモデル」に関して詳しく説明してもらうともに、デルがいかに顧客と「密接にくっついていた」かについて、当時のさまざまなエピソードをもとに話をしていただいた。

デルモデルの成功要因を簡単に言ってしまえば、それは商材であるパソコン、そのプロダクトライフサイクルを誰よりも正確に読み取ったところにある。実際のところは、PCを直販で販売することのメリットに気付いたマイケル・デルの洞察力と実行力、そしてビジネスモデルを構築し、推進していく中での高度な分析的な能力だけでなく、多くの環境が「たまたま」追い風となって見方したところも多いように感じた。

しかし、そうした運のようなものを引き込むのもひとつの経営能力であることには違いない。

2009年11月21日

恵比寿ガーデンプレイスで

今日は、恵比寿のウエスティンホテルで開催されたあるリサーチ会社のフォーラムに参加。

その後、恵比寿ガーデンシネマで映画を観たあと外に出ると、もうすっかり日は暮れていた。

ガーデンプレイスの中庭への階段を下りていくとまぶしい光が目に入り、何かと思うとそこにはバカラ社のクリスタル製のシャンデリアが展示してあった。否が応でも周囲のクリスマスへ向かう気分をかき立てていた。

2009年11月19日

福利厚生のおすそわけ


浜松町にスマート・キャンプという名の施設がある。もともとはある製薬会社が社員のための福利厚生施設として作ったものらしい。現在は、一般の人にも公開し、ビジネスとして経営されている。

今回、そこのプラニングをしている友人の誘いで体験してみることになった。いくつかメニューがあるのだけれど、僕が受けた施術は90分のリフレクソロジー。リフレクソロジーというと例の足裏マッサージかと思っていたが、そこではアロマオイルを用いて肩から背中、腰あたりをゆったりとマッサージするというもの。

まず体調と体質を確認するための質問票に回答した後、好みのオイルの調合から「儀式」はスタートする。十数種類あるアロマオイルから自分の好みのものを調合してもらうのである。背中をさすってもらっていると、あまりの気持ちのよさについ寝入ってしまう。

その後は、同じ建物の1階にある「旬穀旬菜Cafe」で薬膳料理をいただく。選りすぐられた食材を用いた体にやさしいメニューである。落ち着いた、いい雰囲気のカフェだが、ランチタイム、しかも平日しかオープンしていないという。なんか、贅沢。

2009年11月18日

最新PCをダウングレードする

勤務先の大学から新しいPCを配給するからねというメールが突然来て、それからしばらくして新型のノートPCが届いた。

実はこのPC、OSがウィンドウズVistaだという。で、届いたPCは一度も起動しないまま、大学のITセンターに持ち込んでXPにダウングレードしてくれるように依頼。どうも同じような考えの教員がたくさんいるようで、結局OSを入れ替えてもらうためにPCを2週間ほど預けることになった。

(僕にとっては)まったく不必要なアップグレードを重ねること自体、いい迷惑。メーカーはそろそろいい加減にして欲しいなあ。


2009年11月12日

IBM自身のCRM

 













今週の「顧客関係性マネジメント論」(寄附講座)は、日本IBM執行役員の田崎さんにお越しいただき、「ibm.comのセールスイノベーションの実践」のタイトルで講演してもらった。

電話によるセールスセンターと対面営業を顧客視点でシームレスにつなぎ、ビジネスチャンスの発掘と最適な提案を実現していく同社の試みは10年以上前から始まり大きな成果を上げている。そして、今ではテレセールスが同社の売上の10%以上を占めるに至っているという。

組織営業の重要さはどこの企業も理解はしているが、その実現に骨を折っている。単なる理念だけでなく、トップマネジメントのリーダーシップから始まり、社内の制度、システム、人的資源の活用等が有機的につながり、補完し合って初めて継続的なチーム営業の仕組みが組織内に埋め込まれる。その成功モデルのひとつをクラス内で詳細に披露してもらった。

それにしても印象的だった話のひとつは、かつての汎用コンピュータ全盛の時代は、米国の本社から日本に割り当てられる限られた新型機の台数を巡って、購入希望企業がくじ引きをしていたという事実。これを「いい時代」と振り返るか、企業の危機への入り口だったと考えるか。

2009年11月11日

エコという言い訳

あるネット銀行から「取引残高報告書などの電子交付サービスのお知らせ」というのが郵送されてきた。 「・・・電子交付に切り替えることで、報告書などの整理保管が容易になり、また、紙(資源)の使用量の削減および郵送過程で輩出されるCO2の削減など、環境負荷の軽減にも貢献できます・・・」とある。

確かに理屈はそうだが、本音は印刷代や郵送料、その他のコストをなくすためなのは子供でも分かる。だいいち、どの位の環境貢献になるのかさっぱり分からない。エコを引き合いに出すのが「お約束」なのだろうが、違和感は確実にある。


そういえば、ある大手証券会社系のネット証券は、顧客に切り替えを促すのではなく、一方的に報告書の郵送を止めた。顧客が自分でその証券会社にアクセスし、IDやパスワードを記入して確認せよというわけだ。今回はそれに比べれば随分ましということか。

2009年11月5日

『実践CRM』出版記念フォーラム開催














先週の木曜日、『実践CRM』の出版を記念したフォーラムが、産学共同研究センターが入っているトッパンフォームズ本社(汐留)の1階大ホールで開催された。

センター副理事長の永安さんの挨拶の後、僕が基調講演をやらせてもらい、その後、同書の執筆仲間であるPwCコンサルタント株式会社の中本さんと百貨店松屋の所さんにそれぞれ執筆内容をもとに講演をしてもらった。

2009年11月2日

「技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか」

友人の妹尾堅一郎さんが新しく書いた本を送ってくれた。日本は技術力には今だ優れているのに、世界的なシェアを獲得するような製品を育てられないのはなぜか、という多くの人が疑問に感じていることを分かりやすく整理している。要約するならば、この本でのポイントは研究開発戦略、知財戦略、事業戦略の3点を一体的に実施することとしている。

世界を席巻したiPodと製品の技術面では優位と言われながら市場で負けたウォークマンの対比は、ビジネススクールでは古典的ともいえるケースになっているが、そうした例は近年枚挙にいとまがない。でもこうしたケースは、日本企業に限った話ではない。先日、韓国の現代自動車が日本市場から撤退することを決定したとの報道を読んだ。いまでは世界第5位の自動車メーカーが、日本市場では手も足も出なかったのはなぜか。

製造されたクルマの性能や品質が劣っているわけではないことは、JDパワーズの調査レポートなどが証明している。デザインか、価格か、ディーラーサポートか。理由はそれぞれ挙げることができるが、一言で言えば、理屈ではないというのが大きな理由ではないか。残念ながら「どうにも好かない」という消極的な日本人消費者の気持ちが最大の理由ではないかという気がする。

モノが売れるのにはワケがあるようで、ないような。簡単にそのワケが分かれば、誰もが大成功する訳であるが、そんな理屈はあり得ない。そこが顧客行動の厄介なところ。マーケティングが科学とアートを行ったり来たりしている所以である。

2009年10月30日

日経東京本社新社屋

日経新聞の教育事業本部を訪ねた。そのついでに、というか、こちらの方が主目的なのだが、新社屋を見学させてもらう。ただし、編集のフロアは立ち入ることができないということでパス。確か、しばらく前に広告局の社員によるインサイダー取引という不祥事があった。そうした事件の再発を防ぐという意図もあるのだろう。

社員食堂でお昼をご馳走になったが、皇居が実によく見える。こんなに近くから、また上から皇居を眺めたのは初めて。当日の快晴もあって、緑が目にしみた。

2009年10月28日

「顧客関係性マネジメント論」第4回

CRM論の第4回目は、ルディー和子さんに来ていただいて「顧客関係性マネジメント再考」というテーマで講演してもらった。彼女は、ダイレクト・マーケティング分野での日本のパイオニアの一人。豊かな経験と、確かな理論を持った数少ない日本での専門家である。

CRMの考え方の本質といったものを、歴史的に振り返りながら詳しく説明してくれた。時間がもっとあれば良かったのだが、90分があっという間に過ぎてしまい、突っ込んだ討論をする時間的余裕がなかったのが残念。

2009年10月26日

本のカバーにカバーは必要か

日本人は本を大切にしすぎかもしれない。物を大切に扱うことには、もちろん賛成。でも、程度を考えた方がいい。

先日、ある書店でのこと。店内で探していた本を見つけ、それらを見つけレジへ。僕の前では30代の男性客が文庫本コミックを3冊購入しようとしていた。書店の女性が、彼にカバーは要りますかと尋ね、その男性客は「はい」と応えた。店員は、文庫版コミック3冊に丁寧に書店の名前が印刷されたカバーを取り付け、それらを紙袋に入れて渡した。

どこの書店でも行われていることだろうが、後ろからそれを眺めていてふと思った。なぜそれが必要なのかと。買った本を大切に扱いたいからか、それとも他人の目から隠すためか。レジ作業はそれだけ時間がかかり、他の客が待つことになる。

日本の本のほとんどは最初からカバーが付けられている。カバーが二重に付けられている本もある。それなのに、さらに書店がカバーを付ける。僕は書店でカバーを付けてもらったことがない。理由は単純。不要だし、手間をかけたくないから。それに、本についているカバーはそれ自体が鑑賞の対象になるものもあるのに、それを隠すことはない。多くの場合は、カバーはさっさと捨てて、なるべくすっきりさせる。

書店では、レジに客がいないとき、店員の方がカバーを折っている。それも、本のサイズに合わせていくつもの種類を。好きでやっている店員さんはいないだろう。

紙資源の無駄でもある。カバーが欲しいお客からは別途料金を取るといい。

2009年10月25日

AmazonKindle

Amazon.comからキンドルが届いた。実物は写真で見ていたより、ちょっとちゃちな感じか。でも機能はまずまず。ダウンロードできるのは英語のコンテンツだけだが、いずれ日本語の書籍や雑誌、新聞も否応なく対応するようになるだろう。

 

3Gに自動的に接続されていて、回線料無料でコンテンツをすばやくダウンロードできる。でもその代わりに、コンテンツの料金はアメリカでのものより割高になっている。通信料が加味されているということだろう。

帰宅途中の車中で新聞(The New York Times)をダウンロードし、そのまま読んだり、あるいはイヤホンで読みあげソフトを用いてニュースを聞く。使い勝手は悪くない。ただ、画面の移り変わりがいささか不自然。このあたりは、zinioを見習って欲しいところ。

画面サイズはやはりキンドルDXのものが欲しい気がするが、日本での販売は今はキンドル2だけなので、しばらくこれを使ってみるしかない。

キンドルは基本的には電子書籍リーダーだが、ブラウザが載ればメールのやり取りやウェブにアクセスできる。白黒のディスプレイも早晩カラーになるだろう。有機ELを用いて折りたたんだり、丸めて持ち運ぶこともできるようになるだろう。

将来は、子供たちが教科書と一緒にランドセルに入れて、毎日学校に通うにようになるだろう。先生たちはプリントを印刷する代わりに、電子ファイルで一斉に生徒たちに送信する。そして、教室ではサブ教材として利用されるようになるのではないか。それ以外にもいろんな新しい用途が考えられる。

日本の新聞の配信は、現時点ではもともと電子版の毎日デイリーニュースだけだが、いずれ他の一般紙もコンテンツの販売を開始するはず。結果、新聞の宅配はキンドルの登場によって確実に減ることになるだろう。

2009年10月22日

Sony United Showroom

受付で迎えられて中に入ると、いきなり200インチx4面の高精細ディスプレイが現れる。

昨日、僕たちのゼミは品川ソニーシティ内のソニー・ユナイテッド・ショールームを訪問した。

主にソニーの産業用の最先端商材を紹介するためのショールームである。われわれ一同の関心をもっとも引いたのが、放送局用のカメラ。1秒90コマで撮影するハイスピードカメラなど、それらのカメラの映し出す画質のすばらしさに驚嘆。ここまで映すか。ズームアップすれば、それこそ被写体の髪の毛一本、皺一つまでくっきり映る。タレントやキャスター泣かせだ。

来年度に売り出す予定の3Dテレビと劇場用3D施設のデモも見せてもらった。コンテンツ次第だが、2Dに慣れた目には確かにおもしろい。しかし、3Dを楽しむためには専用のメガネが必要。僕にとってテレビは見るともなく見るもの。新聞などに目を通しながら見るもの。専用のメガネをかける習慣はおそらく持たないだろうな。そこが最大の課題かもしれない。

2009年10月21日

顧客深耕によるCRM

昨日の「顧客関係性マネジメント論」は、PwCの中本さんに来ていただいて、顧客深耕によるリテンションマネジメントのテーマで話をしてもらった。

やはり有効なCRM政策の基本には、しっかりとしたセグメンテーション(分析力)と、それをもとにした組織的展開力(実行力)が不可欠だと痛感。ちょっと気になったのは、一連のそうした作業を統括管理するアカウント・マネジャーをどう育成するのかという点である。

最初はコンサルティング会社などの手を借りて、CRMの発想と手法、システムを組織に組み込み、プロジェクトをスタートすることができたとしても、いずれは自社内で回していかなければならない。そのとき、そのために必要なマーケティング・マインドと分析力、リーダーシップを兼ね備えた人材がいるかどうかがカギになる。人の育成が欠かせない所以である。

2009年10月17日

車中コーヒー禁止令

仕事の帰り、たいていは山手線から途中で私鉄に乗り換える。

熱いコーヒーが旨い季節になった。そのせいか、電車にスターバックスなどのカップを手に乗り込んでくる人が増えた。本人はこれからの帰宅途中、コーヒーでも啜りながら時間をやり過ごしたいのだろう。

だが僕はそうした連中がいると、いささかビクッとする。もし電車が揺れた拍子に、周りの人に熱いコーヒーをかけたらどうするのかと考えてしまうからだ。

電車の中で缶ビールやコップ酒を呑んで酔っぱらっているおじさんもどうかと思うが、個人的にはそうした連中はあまり気にならない。しかし、電車で座席に座っている時、自分の目の前に立っている若い女性にコーヒーカップを片手に携帯メールなどやられた分には、気が気じゃない。

マナーの問題なのだろうが、電鉄会社がなんらかの注意を呼びかけてもいいかもしれない。

2009年10月16日

マックを買った

アップルストアでマックを買ってきた。

思い起こしてみると、初めてコンピュータを買ったのは1989年のことだから、ちょうど20年前。Macintosh Plusという最高にかわいいモデルだった。外付けの20MB(GBではなく)のHDDとプリンターを一緒に買って60万円以上したはず。でも、その後、仕事の場がウインドウズだったために、自宅でもそれを使うことになって十数年。

久しぶりに買ったマックは、当時のものとはまったく違うが、でも同じ。遥か昔の同級生にあったような感じとでもいおうか。やはりマックは、マック。そこが凄い。

そもそも、なぜ今マックを買ったのか。一つの理由は、昔からマイクロソフトがどうも好きではないこと。そして、昨年読んだ本のなかの一冊『最後の授業』で、著者(講演者)であるランディ・パウシュがマックに改宗したと語っていたことだ。その最後の授業は本に付いているDVDで観ることができるし、またYouTubeでも公開されている。http://www.youtube.com/watch?v=nrFMRuB2lbA

なぜ彼が「改宗」したのか、その理由について彼は語ってはいない。が、たぶん、彼も本当はマックの方が好きなのに、周りとの関係(ネットワーク外部性)でウインドウズをしかたなく使い続けていたんじゃないかな。

2009年10月15日

顧客関係性マネジメント論 第2回

 

 

 

 

昨日は「顧客関係性マネジメント論」の第2回目の授業。元アクセンチュア株式会社パートナーの杉井さんに「これからの企業に求められるCRM戦略」のテーマで、アクセンチュア流の顧客評価の考え方を中心に話をしてもらった。この講座は寄附講座として開講されていて、毎回各分野の専門家に来てもらい、CRMについてそれぞれ語ってもらうという趣向である。

杉井さんが説明された、企業から見た顧客の貢献度評価の方法は、とても合理的で分かりやすい手法だった。しかし一方で、収益貢献度の低い顧客グループを良くも悪くも排除することにつながるアプローチに、学生たちからは異論もいくつか出てきた。単純に収益という数値評価だけで顧客の扱いをドラスティックに変えてよいのだろうかという問題提起だ。

どちらの見方が完全に正しいというものではない。そもそも、状況適応的に個別の現実に即して適切な顧客との関わり合い方を実現するのがCRMであり、それについて考えるのがこの講座の目的でもある。これからますます面白くなりそうである。