米国のバイデン大統領が、今月1日、日本の経済が低迷しているのは日本が「外国人嫌いで、移民を望んでいないからだ」と発言した。
それに対して、経団連の会長である十倉雅和(住友化学会長)が「不用意な発言」だと苦言を呈した。
十倉は「日本は外国人嫌いではないし、現に日本には多くの外国人が観光も含めて来ている」と反論。
どういう思考回路をしているのだろうか。オーバーツーリズムが観光地各地で叫ばれるように外国人観光客の数がこれまでになく増えているのは事実だが、それは「日本人が外国人が好き」だからでなく、円安によって外国から日本に来やすくなったからだ。
また十倉は、経団連としても少子高齢化の日本で必要な技能の伝承や人材の確保を目的として外国人人材の受入などについて検討する委員会を立ち上げることを決めていると述べたらしい。
この意見は、何を意味しているかーー。日本人(少なくとも経団連の連中)は外国人が好きでもないが、「仕方なく」受け入れざるを得ないと考えるようになっていることを証明している。
いずれにしても、十倉は他国に比べて異常に少ない日本の移民の受け入れ数については何も言及していない。それは、何も言及できないからである。であれば、中途半端な言い訳などしないのが賢明だった。
まったく不用意な発言である。