本や雑誌を探すとき、普段は駅から少し離れたK書店に足を運ぶことにしている。
駅ビルのなかには別の本屋(S堂書店)が入っていて、規模はそちらの方が大きく品揃え、特に雑誌関係は充実しているのだけど店員の態度が昔から代々よくないので(なぜだろう? 企業文化か)自然とK書店に行くようになった。
ただ今日は、駅ビル内の家電量販店に用事があって行ったついでに、そこに隣接しているS堂書店に寄ってみた。
3冊ほど本を選び、カウンターへ持っていく。店員はバーコードをスキャンした後、「このままでいいですか?」と訊いてきた。紙袋がいるかということらしい。仕事帰りでショルダーバッグを肩にかけていたが、厚めの単行本3冊はどうも入らない。
だから袋をくれといったら、カウンター上の張り紙を指さしながら「5円です」と言われた。その張り紙には「環境保全のため・・・」といつもの紋切り型の説明文句が。
袋が有料なのはいまやどこでもそうで、クリーニング店なんかでも同じ対応をされるので驚きはしないが、ついこの前までは頼みもしないのに買った本に(文庫本にまで)カバーを付けて寄こそうとした彼らの変わりようには驚く。https://tatsukimura.blogspot.com/2009/10/blog-post_26.html
そうした違和感を飲み込むのが苦手なので、つい一言。「ネット書店はパッケージングした本を無料で自宅まで送ってくれるのに、あなた方は本を入れる袋まで金を取るのですか」と。
「そういう決まりなので」と思った通りの返答が戻って来る。5円が惜しいわけではないが、どうも納得が行かないので買うのを止め、ネット書店でそれら3冊を注文した。
6,000円あまりの買い物だ。到着まで1日、2日かかるが、別に急ぐ本ではないからそれで充分。彼らはそうやって今日のいくばくかの売上を失い、顧客を失った。
そもそも、紙袋の原料となる森林資源は鉱物資源や化石資源(石油、石炭)と異なり再生可能な資源であるだけでない。森林資源として利用できる木々を伐採せずに放置してしまうと、資源として使えない木々が残り、将来的には森林資源が減少してしまう。
とりわけ森林資源に恵まれた日本においていは、森林環境の保全のために計画的な森林伐採を行うことが必要とされている。そして間伐材を有効に使用することが、国内森林伐採量の増加と環境保全の手助けにつながるのだ。
紙の使用がすべて環境破壊をもたらすわけではない。S堂書店が言っていることは、彼らのただのセコいコスト削減策の表れでしかない。