2022年10月4日

死んでみた

先週末、死んでみた。いやいや、実際は病院の検査室で麻酔を打たれただけのことである。

看護師が、腕の血管に生理食塩水の袋がつながった針を刺した。そのまま診察台へ行くよう言われ、針の刺さった腕を下にしベッドに横たわり、からだの力を抜く。その後、医師が注射針の管に麻酔薬を注入すると、いつの間にか眠っていた。 

意識が戻ると、(当たり前だが)検査は終了していた。その間の記憶はまったくない。普段、レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返しながら自分のベッドで眠っているのとはまったく違う経験である。夢など見ていないし、完全に意識が止まっていた。つまり、自己の存在が消えていた。

目が覚めて思ったのは、「死んでいる」のはこうした状態であるということ。痛みも苦しみも何もないし、怖い閻魔様が出てくる訳でもない。

なあんだ、死ぬって簡単、らくちんだって思ったね。だからこそ、人は生きているあいだは生きていればいいんだ。