・・・なんて事にならなければと思っている。
昨日から、政府が主導する「全国旅行支援」が始まった。パック旅行で8千円、加えて買い物に使えるクーポン券が平日なら3千円付く。大盤振る舞いだ。また自民党の二階あたりが裏にいるのだろうか。
昨日、たまたまJTBの営業所の前を通ったら、さっそく長蛇の列ができていたので驚いた。並んでいたのは、ほとんどは年配者だ。
そもそも金と時間にゆとりがある人たちは、放っておいても旅行に行く。彼らは勝手に行けばよい。国や県が追加のお小遣いをやる必要はない。
一方で、非正規でしか働くことができない若い人や、子育てと仕事に追われている人たちなんかは旅行どころではない。今回の処置は泥棒に追い銭とまでは言わないが、それに近い。
コロナ禍の下で宿泊業がたいへんな状況にあったのは分かる。しかし、たいへんなのはそこだけじゃないし、観光に関して言えば、そもそも人には基本的に観光への欲求がある。この3年あまり息を詰めて暮らしていた人たちが、出かけていいよ、となると、それだけで皆どこかに行きたくなるのが自然だ。
だからこそ、税金を使って不平等な支援策を組んだりせず、まずはなりゆきを観察すればよい。そうしないのは、何かそこに政府の特別な思わくがあるからだろう。
また入国制限が解けたのを機に、間違いなく外国から大勢の人が観光目的で来日し始める。行きたくて仕方なかった日本に行けるのだから。しかも、これだけ日本円が安いというのは彼らにとっては大きなボーナスだ。
かたや、日本人はこの急激な円安によって易々とは外国旅行などに出かけられない。訪日してくる外国人観光客を横目に眺めるだけ。なんだか日本がかつての東南アジア諸国のようになった気分だ。
これから京都はもちろん、外国の人たちに人気の観光地はまた大勢の訪日観光客で埋め尽くされ混雑が避けられない。観光公害も方々で再開するだろう。
コロナで訪日観光客が途絶えた「あの頃」が懐かしい、、、と僕たちはじきに思うようになるかもしれない。