NHK交響楽団の今年最後の定期公演の演目は、ベートーヴェン「第9 合唱付き」。
第9を完成させた頃、ベートーヴェンはすでに完全に聴覚を失っていた。また内臓疾患にも苦しんでいたという。そうした苦しみの中で、もがくように光と希望に満ちた本交響曲を作り上げた。
会場は渋谷のNHKホール。客席は観客の間に空席を一つずつ挟んでの公演であるが、その状態で会場はほぼ満席だった。
指揮はスペイン人のパブロ・エラス・カサド。キビキビした指揮ぶりだ。
テノールの宮里直樹は私の遠縁の一人だが、今や若手で日本を代表する歌い手の一人。彼にとって今回の公演は、N響バイオリニストの父親との「共演」でもあった。
大晦日の夜にNHKで放送されるらしい。