2015年5月2日
爆発的に膨張するデジタル・アーカイブで生き残るには
今日の「木村達也 ビジネスの森」の番組ゲストは、『誰が「知」を独占するのか』の著者で弁護士の福井健策さん。デジタル・アーカイブについての話をうかがった。
爆発的に膨張する情報の蓄積のなかで僕たちは暮らしていて、その中からはもう逃げられないらしい。テキストも音楽も映像も何もかもがデジタル化され、アーカイブ化されている。
それらのプラットフォームを作り運営しているのは、グーグル、アマゾン、アップルといったいずれも米国西海岸の巨大IT企業だ。何十億人というユーザーを持ち、圧倒的な支配力を持っている。
ヨーロッパは、そうした状況をよく思ってはいない。文化的侵略と考え、なんとかこの流れを止めようとする考えが拡がっている。たとえば「ヴィクトル・ユーゴー」を検索すると、検索ランキングの上位に登場する文献はフランス語のものではなく、英語文献が出てくる。こうした状況についてフランス人はたいへん強い危機感を抱いているという話は頷ける。
その結果、フランスやドイツが中心となりグーグルの対抗軸をつくろうとしている。米国サイトとは異なる、欧州ならではの巨大電子履博物館のようなデジタル・アーカイブを構築しようとしているのだ。
翻って日本はどうだろう。日本語の特殊性ゆえに、ある種の「鎖国性」を持って結果として侵略を防いでいるようにも感じられるが、実際のところはどうなのか、来週福井さんにうかがっていきたいと思っている。
それにしても、グーグルでの検索結果の表示を見て、その2ページ目に進む人は平均してわずか6パーセント、つまり94パーセントの人は最初の画面しか見ていないという事実、そしてさらには検索ランキングの上位3つで80パーセントがまかなわれているという偏りには唸らされてしまった。
検索結果の最初の画面に登場しなければ、それは存在していないも同然なのである。そして、上3つに入らないと見てもらえないということである。
今朝の一曲は、Sheryl CrowのSoak Up the Sun。