2015年4月18日

ひとり出版社は、強くてしなやかだ。

きょうのゲストは、『あしたから出版社』(晶文社)の著者で、夏葉社という出版社を経営している島田潤一郎さん。6年ほど前に出版社を立ち上げ、いまも編集から書店対応、営業まですべて自分一人で担当されている。


彼の語り口は静か。そして朴訥とした語り口の中に、本への愛情がこもっている。


彼が出版社を立ち上げたきっかけの一つは、転職に失敗し続けたこと。50社に履歴書を送ってもすべて選考に落ち続けてしまった苦い経験。

もうひとつは、親しかった従兄弟を亡くし、悲しみを抱えていた時に出会った一編の詩。それを本にして、子どもの頃から親のように面倒を見てくれたおじさんとおばさんの心の痛みを少しで和らげることができたら、との想いからだとか。

年間8万点を超える新刊書が発行されている日本の出版事情のなかで、出版社を続けていくのは大変な事。だけど、彼の発想はたとえ初版3000部の本でも、10年かけて少しずつ売っていけばいいじゃないかというもの。

売れそうだから売るのではなく、自分が売りたい、人に読んでもらいたい本を作って売っていくという基本姿勢を守るのは大変そうだけど、これからも健闘を祈りたい。

今朝の一曲は、ボズ・スキャッグスで "We're All Alone" 。