2013年8月26日

化学兵器と日本陸軍

渋谷で降りたついでに、円山町のユーロスペースで「陸軍登戸研究所」を観る。上映時間は約3時間。長いが、それでもオリジナルバージョンは4時間だったとか。

取材・撮影は、今村昌平が設立した日本映画学校(現日本映画大学)の学生たちが担当した。編集の面で冗長なところがあったり、カメラ、音声などでも素人ぽさが目立つが、取材対象となった研究所の関係者などから貴重な(そして正直な)証言を引き出しているのは、若い制作担当者たちの情熱がうまく働いたからだろう。

登戸にあったこの陸軍の研究所では、血液などの体内の水分を沸騰させることで敵を殺傷することを目的とした殺人光線(!)の研究、各種生体実験の実施、毒物・爆薬の研究、風船爆弾や生物・化学兵器の開発、侵攻先国の経済を攪乱することを狙った贋札製造、陸軍中野学校へのスパイ用武器の提供など、おぞましい数々の所業が隠密になされていた。


そうした研究が日本国内のどこかで今も密かに続けられている、なんてことのないように願いたいものだが、そんなとき、シリアでアサド政権が反対派を抑圧するために化学兵器(神経ガス)を用いて数百人を殺害したというニュースを聞いた。

研究所のあった地は、現在明治大学の生田校舎の一画となっており、大学によって資料館が建てられている。