2012年8月25日

宗教裁判所博物館(ペルー /6)

昨晩、プーノからリマに戻ってきた。やはりリマは、空の色がどんよりしている。

午後、旧市街地域(セントロ)にある宗教裁判所博物館を訪ねた。裁判所と云っても、もとになる法律があるわけではない。キリスト教信者以外はすべて異端者とみなされ、改宗を迫られるか、殺された。神の名を借りての極めて残虐な行いに背筋が寒くなる。おぞましい。何かを盲目的に信じてしまうと、人間はここまで非道なことでも平気でできる。

高度な文明を持っていたとされるインカ帝国も銃という武器を持っていなかったがために、金や銀を求めてやって来たスペイン人によって徹底的に破壊され1532年に滅ぼされた。破壊と略奪を行ったスペイン人たちは、キリスト教の宣教師集団でもあった。

理屈抜きにドグマでしか判断しようとせず、しかもそれに気付いていない(あるいは気付いていない振りをしている)のは現代の国際政治や外交のなかにも見受けられるが。

蝋人形などで、当時行われていたいくつかの拷問が再現されている。どれも痛そう、苦しそう。