全国学力テストと呼ばれる全国学力・学習状況調査の2025年度の結果が公表された。調査対象は国内の小学6年生と中学3年生の全員で、国語、算数・数学、理科の科目について実施されたものである。
それによると、各教科で記述式の問題の正答率が過去の調査時より低く、自らの考えを根拠を示して書く力に課題があることが浮き彫りとなったとされている。
またこの調査と同時に行われた、小学6年生と中学3年生の読書実態についてのアンケート調査では、小学6年生の3割近く、中学3年生の4割以上がまったく本を読まない(読書時間ゼロ)と回答していて、その割合は前回、前々回より増加している。
理由は複数考えられるが、そのひとつは子どもたちが本の代わりにスマホを手にして、多くの時間をそれに費やしていることがあると考えられる。
ヨーロッパやオーストラリアを中心に、子どものSNSへのアクセスを規制する法制度が成立する動きが出てきた。規制対象となる年齢は国によって多少異なるが、だいたい16歳未満が多い。
オーストラリアでは16歳未満のYouTubeのアカウント作成も禁止されることになり、動画をアップしたりコメントを書いたり、また一部の動画閲覧ができなくなる。
こうした規制の考え方は正しいと思っている。まともな大人は、国を問わずこうした考え方をするものだ。これからの問題は、どのように実効性のある規制を実現するかだが、技術を用いたスマートな方法論が早急に確立されることを期待する。もちろん、日本でも同様に子どもたちのSNS規制が望まれる。
SNSへの「浸かりっきり」がイジメや暴力的行為を助長しているのは明らかだし、これ以上日本の子どもたちの学力が落ち続けないうちに、国が早めに手を打つ必要性が明らかになっている。