2023年9月15日

まるでオセロのように

つい2日前、ジャニーズ事務所の記者会見をきっかけとして、所属タレントに向ける社会の目が変わって彼らのCM利用に見直しがでてくるだろうと書いた。

だが正直、これほど次から次へとジャニーズ・タレントの契約解消がスポンサー企業から発表されるとは思わなかった。まるでオセロのゲームで、なにかのコマが裏返ったことをきっかけに、その周囲の様相が一変するという状況に似ている。これもまた日本的といえば、実に日本的な横並びの反応である。

それにしても、タレント契約見直しを発表した企業名リストを見ると、つくづく日本企業の広告は「タレントもの」が多いことを再確認させられる。その特徴は昔から変わっていない。

広告の表現形式としてタレント主導型のクリエイティブを一概に批判するつもりはないが、タレントの訴求力におんぶに抱っこで表現としてアイデアに欠けているのも、間違いなく日本の広告の特徴だといえる。 

同じコンビニチェーンのセブン・イレブンとファミリーマートの両社がどちらもジャニーズのタレントを同じ時期にプロモーションに使っていたなど、かつての業界の習わしだと考えられなかったが、いまはスポンサーの担当者がそうしたことを気にしないのだろう。「ブランド」の意味が分かっていない、あるいはそれを気にしていないということだ。