「フォーラム」と称するものへの案内メールがたくさん来る。主催は新聞社やリサーチ会社、コンサル会社、IT企業などさまざまだ。
ほぼ全てスルーだが、ごくたまにちょっと気になるスピーカーがいたりして、予定が合うかどうか分からないが、まずは参加申込みだけでもしておこうと思うことがある。
ただ詳細を読んでみて思うのは、フォーラムと称しておきながら、まったくフォーラムらしくないものばかり。Forumとは、本来は公開討論会、討論の機会、討論の場の意味。つまり双方性の高い議論の場である。だが、開催要項に書かれているのは、完全な一方通行のプレゼンか説明である。
しかも申込時に記入を求められるのは、なぜここまで書かせるのかと頭をひねる質問事項だ。名前とメールアドレスに加えて、生年月日、性別、現住所、勤務先名、所属部署名、連絡先電話番号、携帯の番号、これらの欄がすべて<必須>となっている。
開催内容からはどう考えても郵便物を送ってくることはないし、電話でやり取りする必要もない。だから本来は、名前とメールアドレスだけで事足りるはず。
そうした主催企業の意図は、ただこちらの個人情報を「可能な限り」集めたいということだけ。一応、個人情報に関してのきまりのようなものは参照できるようにしているが、ほとんどの人は読まない。
こうした個人情報泥棒にまともに付き合う必要はないので、適当にアバターを作る。フリーメールのアドレスを追加で作成し、なりすまし用のいい加減なプロフィールをつくったうえでメールの転送設定をする。
面倒臭そうに聞こえるだろうが、慣れれば数分とかからないし、こうした別人格を何人かもっておくと他のサイトや企業相手にも使えるからね。
相手がどう感じるかよく考えて、合理的で節度のある態度でこちらに質問してくれば、それなりにちゃんと回答してやるのだけど仕方ない。