自民党総裁選が熱を帯びてきたようだ。これで日本の首相が決まる。
報道では、その現状とゆくえが第一に取り上げられている。だが実質的には、そうしたニューズ・バリューはない。
どうせ投票できるのは、自民党議員と自民党員だけ。一般の市民は完全に蚊帳の外だ。
それに候補者は、どれも似たようなもの。自殺した元財務省職員の赤木さんが関わされた公文書改ざんの実状を明らかにしようと考えるものはいないし、モリカケ問題と言われている森友学園、加計学園の開学認可に関する疑惑を再調査しようと考える候補もいない。だから、どの候補も五十歩百歩だ。
それらのなかから総裁を選ぶ自民党議員の最大の関心は、次の選挙で自分が当選できるかどうかだけだろう。それと、誰にくっつくことでより大きな権力を得られるかだけ。
まだ今は小康状態だが、これからの日本は間違いなく長期的にとんでもない状況に陥るのは明らかなのに、それに向けた議論が政府からもメディアからも出てはこない。
自らの決定権がまったく及ばないところで、自分の国にそれなりの影響を与えることがきまってしまうことに無力感のようなものを感じるいたたまれなさ。