2018年6月19日

混乱は夜まで続いた

昨日、大阪府の北部を震源とする地震があった。最大震度、6弱。

高槻市内では、倒れてきた学校の塀の下敷きで少女が亡くなった。そのことはとても残念だが、今回の地震ではビルや橋など建造物の倒壊や大規模なインフラの寸断はなかった。そう言う意味で、我々は今回の地震を来たるべき大地震の予行演習と考えるべきだ。

用事があり、昨日から岡山に来ていた。朝の散歩を終え、何時の新幹線で東京へ帰ろうかと考えてた矢先の地震だった。

心配したのは、新幹線が止まること。そしてその心配通り、新幹線が上下線で「運転見合わせ」ということですべて止まった。いつ運行が再開するか、ニュースをじっと注視していたがまったくその気配はない。

状況が分からないので、駅まで行って現場で状況を確認して行動することにした。しかし、駅構内に行っても何もわからない。運行表示はブランクのまま。アナウンスも断続的で的を得ていない。

ネットで予約しようとしても、指定席の予約がシステムで入らないようになっている。運行スケジュールが立たないからだ。

大阪では夜になっても電車の運行が再開されず、多くの人たちが歩いて帰宅に向かったらしい。

鉄道会社では地震などがあった際には、職員が線路を巡回し、目視で安全を確認しないと運行の再開ができない規則になっている。安全運行の目的のもとでの決まりだろうが、何とかして欲しい。

線路の具合を走行しながら調べる調査用車両をすばやく走らせるとかできると思う。できるけど、やらない。お陰で、利用客が大変な目にあう。日本のお客は真面目で黙って我慢する。

僕はと言えば、その後JR東海のアプリで新幹線の予約が取れたので、スマホを片手に改札に向かった。けれど、駅員によればグリーン車両を除くすべての車両は自由席で運行されているとか。

まあいいや、とホームへのエスカレータを昇ってから、僕がJR東海のアプリでさっき予約した新幹線はそもそも運行されないことが判明。

次に来た新大阪止まりの新幹線を見送り、その次の東京行きに乗り込んだ。間引き運転のうえ、各駅停車で、しかも低速走行である。

新神戸を過ぎた後、車掌がやってきて、僕が座っているあたりには新大阪から団体の予約が入っているのでどいてくれと言う。さっき乗車した駅では普通車両はすべて自由席だといっていたのだが。しかも、僕は運行されなかった当日の新幹線の指定席券を持っている。

そうした説明をしたが、彼女は「ダブルブッキングなんです」とだけ言い残して、自分は次の新大阪で仕事が終わるからと立ち去った。

しかし新幹線は、次の停車駅である新大阪で新幹線が2台待っているため入構できないとかで、30分ほど駅の手前で停車してしまった。しかも、通常ならある車内販売は行われていないので、飲み物を買うことすらできない。

とにかく昨日を振り返って感じたのは、JRという組織は情報の流れがすごく悪いということ。客と接する現場には若い駅員が出されて、説明できるだけの情報や指示も与えられないまま、ただただ立ち往生している。可哀相に。管理職は奥に隠れたままで、客がいるところには出てこない。

改札とホームと新幹線の車内で、それぞれ駅員のいうことがバラバラだった。JRの職員というのは、何もないときは決められたことをきちんとやれるのだろうが、普段とは異なる何かが起こった有事の際の対応の体たらくには怒りを越えて情けなくなり、利用者として心底心配になった。

今回は鉄道網に物理的な損傷がなかったが、地震などの災害で実際に線路が寸断されたりしたら、我々はいったいどうすればいいのか考えておく必要はある。

それはとりもなおさず、いつになったら運行が再開されるのかも分からず、知らされず、ただ疲れをためるのではなく、その時にどうやって他の移動手段をさっさと確保できるように頭と体を動かす準備をしておかなければ。