2017年10月19日

「演奏すれば思い出すだろう」

昨晩、今年69歳になったジャクソン・ブラウンのコンサートを、雨のなか渋谷オーチャードホールへ聴きに行った。東京公演の最終日である。

髪の毛には白いものが混じっていて、それなりに年輪を感じさせるところもあったけど、髪型も体型も同じ。声の艶も衰えてはいない。ストーンズやマッカートニーを持ち出すまでもなく、ロックミュージシャンって息が長い。

観客は、オヤジとオバサンが圧倒的だ。70年代あたりに学生時代を過ごし、その頃からJBの曲をよく聴いていたという連中だろう。そういう僕もその一人。彼のコンサートはたぶん3回目。正確には覚えていないが、最初が20年ほど前で、次は10年ほど前だったような気がする。

席は2階席の最前列。ステージ全体が見回せて、意外と良かった。1階席は、オヤジ、オバハンにもかかわらずスタンディングで声援を送る観客たちがいて、もうちょっとそういうのには遠慮したい自分のようなファンには2階がちょうどいい。

バンド(特にギターのグレッグ・リース)もいいし、コーラスの女性2人も張りがあってとても良かった。

彼は日本公演は慣れたものだし、日本のファンがどういった連中かもよく知っていて、緊張感の中にもリラックスした雰囲気が伝わってきた。「ファーザー・オン」を歌い始めるときには、「演奏すれば思い出すだろう」と言って始めたくらい。

この位のゆとり感がいい。もう半世紀近く、ミュージシャンをやってる。その経験と自信があればこそ。