2015年3月14日

ホームレスをファーマーに

今日の「木村達也 ビジネスの森」(FM NACK5 朝8時15分から)も先週に引き続き『ホームレス農園』の著者、小島希世子さんに来ていただいた。彼女の活動の一つが、2008年頃から「ホームレスをファーマーに」を合い言葉に開始した家庭菜園塾だ。


彼女は当初、ひょんなことからホームレスやニート、生活支援受給者といったこの管理社会のレールから外れてしまった人たちと人手不足の農家をつなぐことになり、そうして土の上で繰り広げられる静かなドラマを見ることになった。

それは、作物を育てることで生きるエネルギーを取り戻していく人たちの姿。一粒の種から芽が出て、幹が育ち、やがて実を実らせることを自分の手で体験することで「人は自分の中に変化を感じるようになる」らしい。もう一度がんばろうという意欲が生まれてくるのだ。

彼女が藤沢でやっている農園を訪ねたことがある。藤沢は彼女が大学時代を過ごした場所。そうしたこともあり、協力してくれる農家さんと知り合うことができ畑を借りているらしい。決して大きな農園ではないが、そこでは何人もの人たちがたくさんの種類の作物の育成に取り組んでいる。

彼女の活動は草の根的である。運営母体は株式会社組織にしてはあるが、失礼ながら個人商店の域をでない感じだ。規模感は、ない。それでも、今の彼女は規模の拡大を睨まず、自分がやるべきとをコツコツと続けている。

一つの大きな農園運営組織にするのが目標ではなく、自分の活動に共感してくれた人たちが増え、いろんなところに同様の「農園」がポツポツと出てきてくれることが願いらしい。それが、やがては日本全体を変えることにつながるという発想は、実にその通りだと思う。

彼女と話していると、それが決して「ユートピア的」と笑うようなものではない気がするから不思議だ。うまく言えないんだけど、小島さんはなんていうか、不思議な雰囲気を全体から発している方だった。

今朝の一曲は、フォリナーで Waiting for a Girl Like You。