場所は、東名の厚木ICから30分くらいの自然豊かな山ふところである。いま住んでいる町の最寄り駅でボランティアの人がときおり募金活動をしていて、彼らと話を何度かするうちに一度現地で詳しい話を聞きたくなったのだ。
途中、高速の事故渋滞につかまり、予定より1時間ほど遅れて現地に着いた。スタッフの方たちは夕方の犬の散歩の準備で大忙し。ここに現在身請けもとのない犬が13匹、猫が21匹保護されている。
それならばと、僕も一匹お手伝いがてら散歩に連れていかせてもらった。どの位のコース(時間)をいつも行っているのか尋ねたら、施設の裏にある山につながる路を上り30分、下り20分ほど歩いてきて欲しいとのこと。なかなか本格的である。結局、1時間ほどサスケという名の黒いわんこと散歩をして一汗かいた。
散歩途中のサスケ |
犬の朝夕の散歩はもちろんだが、ここでは犬と猫の健康にとても気遣った世話がなされている。餌や水の食器を洗う時は、食器用洗剤できちんと洗ったのち、消毒液につけ、そして乾燥機で乾燥させていた。間違いなく、我が家の食器より清潔である。
食事の量は、一匹ずつ体重に合わせて計量された食事が与えられている。夕方の散歩後、どの犬もご飯を待ちかね、それぞれのところに餌を運んでやるとあっという間にペロリと平らげる。もっとたくさんやればとも思ったが、犬も人間同様にむだに肥満になるのは病気のもとだから。
犬小屋や犬舎などは、とても清潔に保たれている。病気になってから獣医にかかり治療してもらうのではなく、そもそも病気にかからないようにとの対応が施されていた。
福島で保護された牝犬のマロン |
犬たちは天気の良い昼間は庭の犬小屋でそれぞれのんびり過ごし、夕食後はエアコンが効いた犬舎に移され夜を過ごす。実は最初、相手は犬と猫なのに甘やかしすぎではないかと思った。しかし、これも犬猫の体調管理と彼らにストレスを極力かけないための方法なのだろう。
また、ここに連れてこられた時点で、どの犬も猫もそれなりにたいへんな目にあっているはずで、それを考えると甘やかしてもらう資格があるのかもしれない。