2011年7月21日

「ぴあ」が廃刊に

7月21日発売の号を最後に、ぴあが廃刊になった。創刊以来39年間ということで、まずは表紙を毎号書き続けた及川正通氏にお疲れさんと言いたい。似顔絵でもなく、単なるリアリズムでもない、独特の及川ワールドを毎号見せてくれた。

ネット時代に向けて役割を終えたから、と発行元は言っているが、僕は長年の読者としてそうではないと思っている。ぴあのように、映画だけでなく演劇も、コンサートやライブの情報、美術展、スポーツイベントなど、種々雑多なライトな情報を探すのは、ネットより雑誌がはるかに優れている。

原因は編集の問題だ。僕が中心的読者層から外れているからかもしれないが、この10年くらいは内容がだんだんガキっぽくなり、アホっぽくなり、どうでもいいようなページが増えてきた。いや、編集者を責めるのは酷かもしれない。読者に合わせたらこうなっていったのかしれない。結局、われわれ全体の文化度の問題か。

平綴じが中綴じになった時は、平綴じに戻してくれるように要望を綴った手紙を編集部に送った。平綴じじゃないときれいにバラバラにできないからね。普段カバンに入れて持ち歩くのは、自分の行動範囲内の映画館情報とライブハウス情報だけで十分。

ネットはいいから、誰かまたこうした雑誌を作ってくれないかなあ。