街中でよく見る、床屋の店先でぐるぐる回っているお馴染みのサインポールだが、こんな風に2つあると、なんかそれだけで面白い。早稲田通り沿いの理容室。
2023年9月7日
2023年9月5日
年寄りはメチャクチャなくらいがちょうどいい
現在公開中の『春に散る』は、沢木耕太郎の新聞小説を原作にした映画。
実は映画を見てから、原作の小説を手に取った。書棚の片隅に置いていたその本は2017年発行の初版本だった。
映画では初老の元ボクサーを演じる佐藤浩市の年齢は、おおよそのそれは推測できるがはっきりとは明らかにされていない。佐藤本人は63歳なので、それくらいかという印象だった。
小説で描かれた主人公、広岡は26歳で日本を出て米国に渡り、40年ぶりに初めて帰国したということなので66歳に設定されていた。66歳、微妙は年齢である。一昔前なら、もう現役の第一線から退いた引退者の一角を占めているわけだが、いまはどうなんだろう。
映画の中で印象的だった、佐藤浩市演じる元ウェルター級のボクサー広岡仁一が、若いボクサーの黒木に向けて放つ台詞がある。黒木から「言ってることがメチャクチャじゃねえか!」と言われ、広岡は「年寄りはメチャクチャなんだよ」と返す。この台詞は、沢木の原作には書かれていない。
前言を翻すといったことではなく、「今」を生きる感覚で、理屈ではなく直感的に判断をすると、そうなるのである。
世間の若い連中には理屈に従って秩序正しく真面目に生きてほしいが、俺たち年寄り(都合がいいときはそう言っておく)は好き勝手言って、好き勝手やって、メチャクチャなくらいがちょうどいいのである。
「春に散る」は、もうひとつの「あしたのジョー」だ。
2023年9月2日
TBSキャスターのヘンな言語感覚
昨日、テレ朝のキャスターのおかしな感覚について書いたが、今日は別のテレビ番組キャスターの奇妙な言葉遣いが気になった。
土曜夕方のTBS「報道特集」は、日本で珍しいまともなニュース報道番組だと思っている(ローカル番組は知らないから分からない)。
今晩、取り上げられていた特集のひとつは、福生市のある社団法人(名前は伏せられていた)が生活困窮者の救済を装って行政(福生市役所)との間に入り、彼らに生活保護者申請をさせ、その後、連んでいる不動産屋と共謀して普通の物件価格よりかなり高く設定された家賃(生活保護受給者に認められている上限価格ぴったり)のアパートに入居させ、更に免許証や保険証などを取り上げて動けなくし食い物にしているというヒドイ話だった。
経済弱者を狙った税金詐欺に、ほぼ間違いない。世の中には悪い奴らがいるもので、この番組で報道されなければ知る由はなかったケース。
番組のなかで村瀬という男性キャスターが、生活保護受給者を人質に取り不正な報酬を得ている、福生市にあるその社団法人と不動産業者による詐欺手口を「ビジネスモデル」と表現したのには驚いた。
気の利いた台詞を言ったつもりかもしれないが、これをビジネスモデルって言うか!? ちょっと感覚がズレすぎではないか。
2023年9月1日
組合のストを「異常」だと言い放つニュース・キャスターの異常さ
9月1日、当事者らが予定していたとおり、そごう・西武百貨店がセブン&アイ・ホールディングスによって米国の投資ファンドに売却された。
それに先だって、8月31日に西武百貨店の池袋本店で労働組合による終日のストライキが行われた。様子はメディアで幅広く報道されていたが、その理由はそうしたストがいまどき珍しいからということらしい。
昨日、たまたまは出先で夜10時からのテレビ朝日のニュースを見てたのだが、以前NHKで夜9時のニュース番組のキャスターをやっていた大越健介という男が、「なぜ、こうした異常な事態に陥ってしまったのでしょうか」と賢しらなコメントを述べていた。
最初、異常な事態なんて言うから、組合の猛者が会社の社長を拘束して会議室に軟禁でもしたのかと思ったけど、何のことはない。予定していたストライキを予定通り実施しただけの話だった。
組合がスト(ストライキ行使)を行うのは、憲法で保証された権利の一つ。それを「異常な事態」だと発言するのはどうかしている。労働運動をとんでもない行為か何かだと考えているのだろう。異常なのは、このニュースキャスターと番組である。
そういえば、同キャスターがその前日の放送で沢木耕太郎氏にインタビューしていた。今度映画化された沢木の『春が散る』を取り上げて、「〜を読ませていただきました」「映画を見させていただきます」と当たり前のように発言していた。また「させていただく」だ。言葉がじつに貧困。
2023年8月24日
理解していないのに賛成できるのはなぜ
福島原発の「要処理水」——政府や東電はその水を「処理水」と呼んでいるが、処理済みではない——が今日から福島沖に海洋放出される。
関係者の同意がなければ放出しないと言っておきながら、いざとなったら無視。自分たちの既定路線に沿って、放出の準備は以前から進められていた。五輪招致の時、安倍元首相は「アンダー・コントロール」と世界に向けて言ったが、汚染水が日々貯まり続け、その保存場所がいずれなくなる事は最初から分かっていた。
投棄する場所は海中と大気中の2つの選択肢があるが、大気中へ放出するプランはどれくらい真剣に検討したのだろう(米国のスリーマイル島の原発事故のケースでは、大気放出が選ばれている)。今回、2つの方法の是非はどれくらい科学的に議論したのだろう。
海の方が国民の同意を得やすいという理由で、当初から「海中放出」が国の考えにあったように思える。というのは、「大気中へ放出」より「福島沖の海へ放出」の方が国民にとっては「自分には直接の影響がなさそう」と思えるからだ。自分ごと感が圧倒的に薄くなる。
海水で1200倍に希釈すれば、トリチウムが基準値以下になるから海洋放出しても構わないという理屈が分からない。ほとんど無尽蔵の海水で薄めれば、何だっていくらでも薄められる。だが、いくら薄めても元の放射性物質の量は変わらない。
トリチウムを水に流して捨てるのではなく、そもそも除去する技術はないのか。研究はどこまで進んでいるのか。その技術を人類が持てない限り、原発はやはり不適切なのではないか。
汚染水の放出期間は「30年ほど」と発表されているが、政府が今30年と言っているということは、実際はそれでは決して終わらないということ。50年か、70年か、いや100年経っても終了しない可能性が極めて大きい。なぜなら原発を廃炉できなければ今の汚染水は止まらないから。
格納容器に溜まった燃料デブリを冷やすための汚染水は、日々増え続けている。そして福島第一にある880トンのデブリは、まだ1gたりとも取り出せてない(取り出せたとしても、それをどこに保存する?)。つまり、現状では汚染水は<半永久的>に増え続けるということ、トリチウムの海洋放出もほぼ永久に続くと考えるのが妥当だ。岸田首相が「私が最後まで全責任を負って・・・」なんていくら言っても、その頃にはもうみんな死んじゃってる。
海洋放出についての国の説明について、国民の7割が不十分なままだと言いながら、5割以上が海洋放出に賛成しているのも不思議。みんな「人ごと」だからと思考が停止しているように思える。忘れやすく、お上に言われたことに対して盲目的に追従しがちな日本人の国民性を政府も東電もよく知っている。
安全だと主張し海洋放出するなら、東京湾に流したらいい。そしたら、国民(特に東京都民、神奈川県民、千葉県民ら)はもう少し真剣に考えるようになるじゃないかね。
ただそこのところで韓国や中国など、周辺の国の人々は日本人とは違う。たとえばBBCの報道では、そうした国の感情としてAngerとAxietyを指摘していた。元々の国民感情もある。それをほぐすための説明は十分になされたのか。なされてはいない。こうしたことは、理屈だけで安全だから安心しろって言っても無理だ。
https://www.bbc.com/news/live/world-asia-665991892023年8月13日
「戦う覚悟」と「言う覚悟」
先日、自民党副総裁の麻生太郎が台湾でまたやらかした。台湾有事に際して「戦う覚悟」が必要だとして、「いざとなったら防衛力を使う」と前のめりに宣言したらしい。
台湾海峡で争いが起こったからといって、それに日本が自衛隊を送り威力を行使するのは日本の憲法に反しているだけでなく、国際条約もそんなことは認めていない。
こうした分かりきったことをなぜ外国まで行って話すのだろう。理解が足らないのだろうが、どうもそれだけではないみたいだ。というのは、この麻生の発言を受けて、自民党の政調副会長がその発言を「政府内部を含め、調整した結果」だったと説明したから驚きだ。
自民党の連中が自分で「言う覚悟」がないものだから、麻生をたき付けて代わりに言わせた、というところか。のせる方も、のる方もアタマのネジがとんでいる。
いずれにせよ、もし戦争になったら一般市民は巻き込むな。あんたたちだけでやってくれ。自分が鉄砲担いで最前線に立てよな。
ただし、日本と中国の兵力には圧倒的な差があることは知っておいた方がよい。艦船数で2倍、戦闘機数で5倍、潜水艦数で3倍、人員の数では10倍の差がある。もちろん優っているのは相手国だ。それを知っていて「闘う覚悟がある」と宣言するのは、太平洋戦争に突入した昭和16年時の日本のトップと変わりがない。つまり、歴史から何も学んでいないということ。
本来は、実際の戦闘になどならないよう、外交や経済や文化といったソフトなパワーで周りの諸国と関係を閉じないようにするのが政治家の役目じゃないのか。
2023年8月12日
顧客のライフタイム・バリューを見込んだ人質価格戦略
アマゾンプライムの会費が、来月以降年4,900円から5,900円に変わる。2割強の値上げである。4,900円の前は、3,900円だった。
例によってアマゾン・ジャパンは値上げの理由を説明していない。だからか、メディアが気を遣って(?)その理由を解説しているのだが、それによると物流コストが上昇したのを吸収するためだと書いてある。本当か? だって、ヨドバシ・ドットコムは会費なんか取らずとも無料で配送してくれてるぞ。
世の中の多くの物の値段が上がっているという風潮への便乗だというのが、僕の見立てだ。新聞記者が、トラックドライバーの「2024年問題」などを引き合い出し、勝手な推量でアマゾンの値上げを容認するトーンの記事を書いているのは違和感が大だ。
プライム・ミュージックにしてもプライム・ビデオにしても、有料版のunlimitedへ強引に誘導しようとしたり、観たい映画に限って有料だったりして、だんだん使い勝手は悪くなっている。だが、アマゾン・フォトに写真を保存している限りは解約することはできない。こうやって「人質」をとって、利用者からカネを巻き上げる価格戦略の典型である。いずれ利用料は1万円あたりまでいくのだろう。
同様のスタイルで値上げしたのが、Evernoteだ。こちらは5,800円だった年会費をこの5月に9,300円に料金改定した。実に60%もの値上げである。大幅な値上げは腹立たしいが、こちらも大量のデータをこのサービスのクラウドに預けている以上はすぐには手を打てない。やはり人質作戦だ。
グーグルはグーグルで、利用者の不利益など関係なく勝手に利用規約を変更している。
確かにどれも利便性の高い、優れたサービスではあるが、利用者が簡単に離脱できないのをいいことに、一方的な値上げを繰り返されるのは本意ではない。いざとなったらこうしたサービスからいつでも離脱できる代替案だけは自分なりに用意しておきたい。
2023年8月10日
訪日外国人と渡航日本人
中国が、日本行きの団体旅行を解禁することを決め、その旨を在日中国大使館が外務省に対して文書で伝えた。
ところで、「インバウンド」と行政などが呼んでいる海外からの外国人旅行者が増加する一方で、日本から海外に行く人数は伸びていない。理由は、ビジネスの商談がリモートで行われるようになったからではない。数字の上ではそれもあるが、日本人の実質的な賃金の減少と海外での物価上昇、そして何と言っても円安のインパクトが大きい。
2023年8月7日
アマゾン・レビューの恣意性(続)
テストとして送った先日のレビューの内容を、サイト上の「編集」で本来のメッセージに書き直した。もともとのレビューが未だにアマゾンに無視されているからだ。
そうしたら、彼らから以下のようなメールが来た。投稿できませんでした、とある。
「すべてのお客様に関連性があるわけではありません」とあるが、冗談ではない。関係があると考えるからレビューにわざわざ書き込んでいる。
そもそも日本語になっていない奇妙な文章だ。だがそれもまた、彼らにとってはお構いなしなのだろう。
2023年8月6日
日本の自動車メーカーは中国車と世界で戦えるか
最新のグローバル・ブランド・ランキングによると、その上位20位にある日本企業はトヨタ一社(6位)である。かつては日本の銀行や通信会社、電機メーカーなどが上位に並んでいたが、今ではまるで様変わりし、見る影もなくなった。
2023年8月4日
アマゾン・レビューの恣意性(続)
購入した水のレビューを、安心して飲める、とかどうでもいいことを「テスト」としてアマゾンのレビューページに書いたら、すぐに掲載された。
だが、アマゾンのキャンセル・ポリシーの不適切さを指摘した先のレビュー内容はいまだに表示されないまま。自社に都合の悪いことは掲載しないようにしているわけだ。立派!
(追記 8月7日)
たまたまだが、「日本郵便の場合、大手事業者向けに、配送に7日程度の余裕を持たせる代わりに料金を1割前後割り引く料金体系がある」と記された新聞記事(日経)を読んだ。アマゾンは当然、ここでいう大手事業者に当たる。つまり今回の場合、アマゾンは彼らが支払う配送料を1割割り引かせるために、僕が注文した商品の発送をその分だけ遅らせたということだろう。だとすると顧客無視もいいとこ、ずいぶん勝手放題である。
2023年8月3日
アマゾン・レビューの恣意性
日々猛暑が続く。外出の機会が減る。特に日中はできるだけ炎天下を歩くのは避けている。買い物の機会も減った。
半月ほど前、ボトルの水をネットで購入した。アマゾンのサイトで1ケース分を発注。配送まで1週間と表示されている。少し長いな、と感じたが急ぐ商品ではないので気にせず注文した。
ところが1週間たっても届かない。アマゾンのサイトで「配送状況」を見たら、まだ配送手続きにもはいっておらず、その時点で配達予定日は注文から13日目になっていた。
これはアマゾンの不手際なので、サイト上から「配達予定日が遅すぎる」という理由を選択してキャンセルをし、ヨドバシ・ドットコムで同じ商品を注文した。値段は大差なし。商品は翌日に届いた。
ところがキャンセルしたその商品について「キャンセル不可」というメールがアマゾンから来た。おかしいね。発送していない商品はキャンセルできることはずなのだが。しかも、事前に知らされた配送日が、いつの間にか1週間から2週間に変更されていた。
メールにはキャンセルできないという理由として「発送準備に入っているため」と記されてはいるが、実際にその商品が来たのはそれから1週間後だったこと考えれば、それは事実ではなかったと考えるのが妥当だ。
客にはどうせ本当の事など分からないからどう繕っても平気、というアマゾンの方針なんだろう。
今回の経緯をアマゾンのレビューに書いた。だが、5日たってもそれが掲載されない。自社に都合が悪いからだろうな。アマゾンもそんな企業になってしまったということか。
2023年8月2日
CMに解説は不要
私が今回、個人的に一番印象に残ったのが「Relax, it’s iPhone―R.I.P. Leon」と題されたアップルのCM。トカゲの世話を任されたペットシッターの男性が、夜のキッチンでカラダの硬直したトカゲを見つめている。なんとも言えない悲壮感をその表情に漂わせながら。どうやら暇を持て余したのか、イタズラをしている最中に、トカゲが死んでしまったよう。やがて彼は意を決して雇い主にiPhone14のメッセンジャーで悪いニュースを伝える。その瞬間、トカゲが突然息を吹き返し、ホッとしたペットシッターは商品の売りである「送信取り消し」機能を使ってメッセージを削除する。これら一連のシークエンスが絶妙な演出で映像化されていた。そのことで「リラックスしようよ」というメッセージがじんわり伝わってくる。
2023年8月1日
まるで丸見えだ
最近、家族旅行に出かけたというある女性とその息子の携帯電話に、次々と見ず知らずのところからメッセージが届く。企業、個人からを問わずだ。それらは、たとえば「空港まで私のタクシーを利用しませんか?」とか「今度のホテルは決まっていますか?」といった内容らしい。ベトナムでのこと。
彼女らの携帯電話の通信内容やそのメモリーに記録されたデータが盗み見られているおそれが大きい。
原理的に通信会社は、ユーザーの通信情報をすべて盗み見ることができるだけでなく、すべて保管している。だから、社員や関連企業の人間がアクセスし持ち出す。
それだけではなく、ユーザーが知らないうちに何かプログラムを忍びこませてしまえば、もう一人のユーザーとして何でもできる。
利用者の個人情報が、知らぬところでカネに替えられているんだろう。当然、遠い他国だけの話と思わない方がいい。
2023年7月31日
サボテンも枯れる暑さ
今日会った人が、南相馬市で開催されている相馬野馬追に行った話をしてくれた。馬を目当てに見に行ったらしいが、現地での猛烈な暑さで何頭か馬が死んだんじゃないかと言っていた。
歴史のある行事ではあるが、時期をずらすという、ちょっとした工夫がなぜできないのか。ちょっと立ち止まって考えれば分かるはずのことが、「慣性」に浸って生きていると分からなくなる。そして、過ぎ去ってから、(少し)反省する。
それにしても、このところの連日の猛暑は異常だ。と思っていたら、それもそのはず、12万年5000年ぶりの高温を記録しているという。
なんだそれは、と思ってしまうのもの無理はないが、古気候学(太古の気候を研究する学問領域)の専門家によると、12万5000年前の地球は2つの氷河期の間に位置し、「直近でもっとも暑くなった時期」にあたる。これは古気候学にもとづいてデータを収集し、気候モデルを作成している機関(アメリカ地質調査所)の分析による。
ところが、今年7月の地球の気温はそれにまさる暑さなのだ。異次元の暑さ。米アリゾナ州ではサボテンが暑さで枯れ始めたらしい。
そのなか、日本では例によって夏の甲子園大会の地方戦が行われている。大会を主催している新聞社(朝日)、高野連、NHKの幹部の脳みそは溶けて働いていないのだろう。しかし、利権を守るというその考えは堅固で揺るがない。
グラウンドで試合をする選手はもちろん、スタンドの観客、関係者らも命がけである。なぜそうまでしてこの時期、日中の屋外で行うのか。人の命や健康を考えれば、つまり冷静に常識でものを考えればヘンだということに気づくだろう。
夏の甲子園大会が始まったのは1915年(大正4年)。その頃の夏の気温は、今とは全然異なる。これは東京のデータではあるが、気象庁によれば1915年8月の平均気温は25.7度、最高気温でも29.7度だ。
命を大切にするには、今の時期は室内で静かに体力を温存するようにしておくのが一番。人間の体は気温が35度超え、湿度が60%超えのなかで過ごせるようにはできていない。屋外で激しい運動をさせるなどもっての外だと思う。
これはすべて関係している大人の責任だ。
2023年7月30日
サステナブルからレスポンシブルへ
サステナブルは、通常、「サステナブル(持続可能性)」と表記される。じゃあ、持続可能性でいいじゃないかと思うのは当然なのだが、世間はサステ・・・が好きらしい。理由は僕には分からない。カタカナがなんか新しさを感じさせるからかな。それとも、みんなそう言っているからか。
どちらでもいいんだけど、持続可能性という言葉でやはり気になるのは、その対象がよく見えないことだ。もともとは環境問題の文脈で出てきた言葉。その当時は、地球や自然環境と言った持続可能が期待される対象が明らかだった。
だが、いま用いられているサステナブル(持続可能性)は注意深く見ていると、何てことはない。その製品を作ったり、販売している企業の持続可能性だったりして、本来の意味からいつの間にか逸脱していることが多々ある。
パタコニア社の創業者であるイヴォン・シュイナードは、「サステナブル」という言葉の代わりに「レスポンシブル」という言葉を用いる。日本語にすると「責任のある」だ。日本では中学生でも知っている英単語だろう。
レスポンシブルという言葉を聞いたとき、われわれ日本人でもまず頭に浮かぶのは、その主体が誰かと言うこと。責任対無責任の文脈なかで、自然と「誰が」の発想が浮かんでくる。そうした意味で、環境へ向かう想いがサステナブルよりシャープだ。
われわれは、そろそろ主体も対象も曖昧さに逃げる「サステナブル」って言葉から「レスポンシブル」あるいは「責任(のある)」に言い方を変えた方がいいと思う。
2023年7月25日
予告編は余計だ
夕方、東宝系のシネコンに映画を観に行った。トム・クルーズのバイク・ジャンプを見るためだ。61歳で驚異的なスタントを自ら行うトム・クルーズには驚きしかない。
こうしたスペクタクルな映画はやはり大画面の劇場で観たい。だが劇場で閉口するのは、上映予定時間になってから流れる映画予告編とCMだ。今回は本編開始まで15分も続いた。これまでのなかでも最長の部類だ。一般的にシネコンは長い。単館系はもっとコンパクトだ。CMが入らないというのもあるのだろうが。
映画の予告編は、かつては今後上映される作品をそれで知ることができ役に立った。だが、いまでは劇場で無理矢理見せられなくても、YouTubeなどでいくらでもチェックできる。
鑑賞料を払って席に座っているのに、否応なくCMを見せられるのは不愉快。好きで見ている観客はまずいない。それなのに、なぜこうした顧客の意に沿わないことをいつまでも押し付けるのか。
それは、シネコン運営企業の経営者が、一般客に交ざって劇場内で映画を鑑賞しないからだ。自分が真に映画ファンで、試写室でなく一般上映館で映画を観ていたら何か感じるはず。彼らはそれをやっていない。あるいはそうしていても、顧客がどう感じるかを感じるセンスがないということである。
2023年7月23日
再販制度(再販売価格維持制度)は今どうなっているのか
昨日、急ぎの調べものがあり、そのためにアマゾンで書籍を1冊注文した。
実はその本は研究室のどこかにおそらくあるはずの1冊なのだが、週末で大学に行く予定はない。しかも先週で前期授業はすべて終了したので、わざわざ研究室に足を運ぶのは憚られた。
アマゾンの画面で表示されたその書籍の価格は、3980円。「新品」とある。随分以前に購入したものと同じものだが、微かに覚えているその本の造作から創造すると「ちょっと高すぎる」。
今日届いたその書籍、カバーを見ると定価(本体2200円+税)とある。2420円だ。ということは、先の価格は65%高い。
中古本の価格がいろいろあるのは分かるが、新品の本の価格は再販制度によって定価販売が基本のはず。ちなみに販売元は中古本の取扱店ではなく、アマゾン自身だ。
これは再販制度違反じゃないのかね。時間を見つけて調べてみようと思う。