今週の「木村達也 ビジネスの森」(FM NACK5)も先週に引き続きフリーライターの永江朗さんをゲストにお招きした。
彼の『「本が売れない」というけれど』(ポプラ新書)によれば、決して日本人は本離れをしているわけではない。新刊書の刊行点数はむしろ増えている。ただし、新刊書の売上自体は長年にわたって減少傾向にある。
これは、人々が本を公共の図書館で借りたり、ブックオフなどの中古本を買って読んでいるということである。そして、新刊書一点あたりの販売部数が減っているという事実である。確かに、ヒットした本が出ると、あからさまにその二番煎じ、三番煎じを狙った本が店頭に並ぶ。
日本の本は、海外と比較するともともと安い(と僕は思っている)。しかも最近では、ネット上の「青空文庫」などを利用すれば、著作権が切れた本を無料で読むことができる。 永江さんは、そうした日本の国内状況を「知的天国」状態と呼ぶ。
それはありがたいこと。だけど、「知」がいつでもタダで手に入ると考えるのはマズイ。読みたい本が読みたい時に読めるようになった分、書き手に対しての「応援」を忘れてはいけない気がする。つまり気に入った本は、お金を払って買うということ。あるいは最初図書館で借りたとしても、それが本当にいい本だと思ったら、自分で買って友人にプレゼントするとか。
ちょっと大げさかもしれないけど「知」の創作者に対する敬意を忘れてはいけないと思っている。それは思いや気持だけではなく、やっぱり対価を払うことにつながっている。
今朝の一曲は、ゾンビーズで Time of the Season。