2025-12-29

機械が客に「はい」「いいえ」を迫る無作法さ

遠方に住む家族の家のインターネットが繋がらなくなった。

対応を求めて、プロバイダーのサービスデスクに電話をかけたという。が、機械応答で「はい」「いいえ」の選択肢だけを次々尋ねられ、その挙げ句、最終的に問題はまったく解決しないどころか、人間と一言も話すこともなく最後は「問題は解決されましたでしょうか。はい、いいえでお答え下さい」と言われ、「いいえ」と答えて、電話が切れたらしい。

試しに僕の方でもそこに電話をかけてみた。なるほど聞いたとおりだ。「はい、か、いいえ、でお答えください」とシステムの機械音声が何度も何度も続く。

問題の切り分けの設計がお粗末で、単線的なフローしか組まれていない。顧客のことなど真面目に考えておらず、ヘルプデスクが一応あるという言い訳のためのものとしか思えない。 

しかもやり取りは、機械に子供扱いされているような感じで実に厭な気分だった。不愉快極まりない。我慢できず、途中で呪いの言葉を吐き、電話を切る。

この会社(プロバイダー)に人間による対応を求める場合は、別途、有料オプションを契約しなければならないらしい。なんてこった。

人件費削減を狙っているのだろうが、こうした無神経なサービス対応を契約者に強いるのは何とかならないのだろうか。 

2025-12-28

ラ・ベル・フェロニエール

来年9月9日から国立新美術館で開催される「ルーブル美術館展 ルネサンス」に、ダ・ヴィンチの「ラ・ベル・フェロニエール」が展示される。

 
日本初公開ということもあり、各誌の表紙を飾っている。

美しきフェロニエール

美しきフェロニエール

美しきフェロニエール

ぼくはこれも楽しみだけど、同じ国立新美術館でその前に開催されるピカソ meets ポール・スミスの方が興味深い。 

相変わらずのマイクロソフト社の体質

Macをスリープ状態にしておいたはずなのに、再始動しようとした時にマシンの躯体が過熱しているときがある。その原因は、勝手にMicrosoft Updateが起動してしまっていることにある。

以前はそうした動きはなかったのだが、それ自体をupdateしてしまってから日常的に発生するようになった。つまり、Microsoftがそのようにプログラムしたということだ。

他に同じ症状に困惑している人の例はないかと調べたら、たくさん出てきた。主な問題点として以下のようなものがある。。

  • アップデートによる不具合の発生
    更新プログラムの適用後、PCが起動しなくなる、動作が不安定になる、特定の周辺機器(SSDなど)やアプリケーションが認識されなくなる、といった深刻な問題が頻繁に報告されています。これらの不具合は業務の中断やデータ損失のリスクを伴います。
  • 強制的な適用と再起動
    ユーザーの意向に関わらず自動的にアップデートが開始され、作業中のPCが長時間利用できなくなることがあります。特に重要な作業中に再起動を求められたり、勝手に再起動されたりする点が大きなストレスとなっています。
  • アップデートにかかる時間の長さ
    機能アップデートなどの大規模な更新には長い時間がかかり、その間PCが使えなくなることで生産性が損なわれるという不満があります。
  • 不具合発生時の対応
    Microsoftが不具合を認識し、修正プログラムを提供するまでに時間がかかる場合があり、その間のユーザーサポートに不満の声が上がることがあります。
  • 古いPCでの互換性の問題
    新しいアップデートが古いハードウェアのシステム要件を満たさず、互換性の問題を引き起こすケースがあります

調べたところでは、以前のMicrosoft AutoUpdateは勝手に起動しないように設定を変えることができた。

ところが、最新の(先日、不注意にもそれにアップデイトしてしまった。しまった!) バージョンではその設定をマイクロソフトがなくした。

相変わらず利用者のことなど念頭にない。 

2025-12-26

旅館が提供するサービス価値とは何か

予想していたとおり、星野リゾート運営の高額旅館が営業を停止することになった。


これは、彼らが全国に展開しようとしている旅館の大分にあるプロパティでのはなしだ。 

1人あたりの一泊料金を、税込みか税抜きか知らないが最低で5万5千円に設定している。海が見えるわけでもなく、歴史的な建物というわけでもなく、ただ山の中に設けた旅館がこうした価格をいつまでも客にまともだと思わせておくことは到底無理だった。 

人それぞれ好き好きだろうが、そもそも旅館という宿泊形態は京都などで長い歴史を持ち、独特の風格を感じさせるようなところ以外、続いていくとは思えない。 

夕食時、テーブルいっぱいに並べられるお造りや煮物や焼き物・・・、それらを何時間もかけて食べるのは時間の無駄としか思えないのだ。かつて日本全体が貧しかった頃、旅先の旅館に泊まること自体が極めて非日常的な「ハレ」だったから客も喜んだが、いまでは日本のどこでも美味しいものが日常的に食べられる。

しかも、旅館側の都合で食事の時間が大方決められてしまう。日常を離れてのんびりするために来たというのに、その拘束感は実に不愉快だ。 

そうした意味で、旅館の夕食は明らかに過去の遺物といえる。そのことを理解しようとせず、豪勢な料理をドーンと出せば客が驚き喜ぶと思い、それで高額な金額を請求できると考えているのは今やお粗末な勘違いである。 

自慢の露天風呂だそうだが・・・

旅館は、やがて小中学校の修学旅行での宿泊場所以外の役割を失っていくのだろう。

 

2025-12-20

記事の取り消し

水曜日に新聞に掲載されたばかりの、共同通信が配信した以下の記事を取り消すとの「おわび」告知が新聞紙上に出されていた。


どうみても微妙だナ。

カギ括弧部分には3つのセンテンスが含まれていて、二つ目(自民党ベテラン議員は・・・と漏らす)と三つ目(・・・との見方もある)はともに伝聞であり、断定的な言い回しはされていない。

一番目のセンテンスもNHK次期会長に決まった人物と政界有力者の人間関係の有る無しを示しただけの内容。

これらをすべて新聞社が取り消すとは、いったい何が起こったのか。

名前が登場しているのは、当のNHK次期会長、菅、麻生、高市の4人。誰がどう考え、どう圧力をかけたのか。だいたい想像はつくが。 

2025-12-13

しーちゃんのこと

ふた月ほど前のある日、近くでノラの猫と、のちにその飼い主になる若い女性と知り合った。

鶴見川水系の一つである鳥山川沿いの道を自転車で走っていたとき、橋のたもとで女性がしゃがみ込んで猫を撫でているのが目に入った。

この近くにはノラたちが何匹かいて、地域の猫好きの人たちによって世話をしてもらっているので猫たちもそれなりに人に慣れているのだ。

きょうも通りすがりの猫好きの人がそうした猫の一匹を愛でてやっているのだろうと思って通り過ぎたが、なぜか気になって自転車を止め、通り過ぎた場所へ戻った。

彼女にどうかしたのか訊ねると、猫が怪我をしているという。見てみると、鼻の先がない。鼻がぽっくりとえぐれているのである。しかも、からだ全体はガリガリで極度に衰弱し、ほとんど動かない。これはただ事じゃない。

彼女は、前日もこのニャンと同じ場所で会っていて、その時から具合が悪そうだったのが気になってこの日も様子を見に来たのだという。 

ノラ猫をどう面倒みるかは難しい。行動を起こせばその結果があり、相手が生き物だけに行動には責任がともなう。

ちょっとした逡巡はあったが、その場に放置すれば翌日にはこの猫はおそらく死んでいるだろうと思ったので、動物病院にそのOさんとで連れて行くことにした。歩いて10分ほどのところに、新しく開業した動物病院があることを思い出したから。

プール帰りの僕のリュックにはバスタオルが入っていたので、ニャンをそれで包んで病院に持ち込む。まったくの初診、しかも持ち込んだのがノラなので受付の女性から訝られるが、そこは押し切る。

そうして獣医に観てもらったが、怪我の具合と全身の衰弱がひどすぎるのでその病院では対応しきれないと言われ、妙蓮寺駅にある治療体制の整った大型の動物病院の名を紹介される。 

突然ノラを持ち込んでもまたそこでも受付で時間を取られると思ったので、その場でその動物病院に電話をかけ、途中で目の前にいる獣医師にスマホを渡して獣医師間で状況をできる限り詳しく伝えてもらった。

タクシーをつかまえ、妙蓮寺駅近くのF動物病院へ向かった。そこで数時間かけ念入りに検査をしてもらう。免疫異常、胆嚢種、リンパ種、腎臓肥大、肝臓異常、その他覚え切れないほどの症状を伝えられる。鼻先がもがれて軟骨が完全になくなっているのは、原因がはっきり分からない。外的な力による損傷なのか、体内の感染症からなのか。

特に問題だったのが、赤血球数の減少がはげしかったこと。極度の貧血状態にあり、先生に勧められて輸血をしてもらい、そのまま入院。歳は4歳から10歳くらいの間だろうと言われた。その年齢の幅の広さが、これまで生きのびてきた環境の過酷さを物語っている。

僕が川っぷちで会ったOさんは、そうしたなかで旦那さんと連絡を取り、保護猫としてのちに「しーちゃん」と呼ばれるその猫を受け入れる覚悟を決めた。

そのまま数日間入院し、退院。Oさんらに大切に面倒をみてもらい、少しずつだけど体重も増えてきた。そうして彼女からときどきしーちゃんの写メがスマホに届く。

あるとき、彼女からまた手術をすることになったという連絡がきた。栄養状態が改善して全身の体毛が伸びてきたのだけど、シッポだけまったく毛が伸びないので動物病院で診てもらったらシッポが壊死していると言われたのだ。

原因は、シッポの根元に輪ゴムかタコ糸のようなものできつく縛られていた跡があったことから、そのせいでシッポが壊死していたのだろうと。骨には異常がなかったので、レントゲン検査では気がつかなかったらしい。

そして、壊死したシッポを切断することに。赤血球数がまだ回復していないので、切断手術後には強度の貧血を再発した。いやはやニャンとも大変である。

シッポが切断されてなくなり、手術のためにお尻のまわりの毛をすっかり刈り取られたしーちゃんの写真が送られてきたときは、なんとも言えない気持になった。

輪ゴムだかタコ糸だか分からないが、誰が何のためにそんな悪さをしたのか、強い怒りが沸く。

振り返って思うのは、もしこの猫が人間に強い警戒感を持っていて人に近づくことなどなかったら、こんな酷い目に遭わされることはなかったんじゃないかということ。

ただ一方で、人懐っこくなければ、あの日、彼女と僕に動物病院に連れて行かれることもなく、その後、保護猫として引き取られることもなかったのだが。

ノラの一生は厳しく、複雑。とにかく少しずつでも元気になって、何とか生き続けて欲しいと思っている。 

2025-12-11

ホームに降りたら、熱い一杯のコーヒー

新横浜駅の新幹線ホームに、スターバックスの店が登場した。

今日立ち寄ったとき、店のスタッフと話してみると、「新幹線ホームのスターバックスは世界初なんですよ」と言われてちょっとびっくり。

帰宅して少し調べて見ると、ネット上のニュースでは「日本発」となっている。ただ、「新幹線」は日本にしかないから日本発は世界初と言ったのも嘘ではないかな。

この「Brewed to Go」と名づけられた店は、下りホームにしかない。新幹線の停車時間にコーヒーを買うのは無理だから、利用できる客は新横浜から新大阪など西へ向かう乗客と僕のように東京から乗ってこの駅で降りる客だけ。

商売を考えたら、ホームはホームでも東京駅に設置した方が確実に儲かる。ただ、客が多すぎて混雑してオペレーションが難しくなる。その点、新横浜駅の乗降客は東京駅とは比較にならないから、パイロット店としては好ましいのかもしれない。

新横浜駅は駅ビル内にスタバが2階と3階の2店入っているので、そこへ行けばいいだけなんだけど、ホームで降りてすぐ熱い一杯のコーヒーというのも今のところ悪くない。 


2025-12-10

SNSを使用禁止にしたらいい

オーストラリアでは明日から16歳未満のSNS利用が禁止される。大変結構なことだと思う。これは、かの国では大人たちが子供たちのことを真剣に考えている証拠だ。

禁止対象となるのはインスタグラム、フェイスブック、スレッズ、スナップチャット、ユーチューブ、ティックトック、キック、レディット、ツイッチ、X(旧ツイッター)の10のプラットフォームである。

登録時の年齢を偽ったりするなど抜け穴もあるようだが、いずれにしても多くの子供たちがSNSを使わなくなることで救われるはずだ。

そして、オーストラリア以外に同様の措置を検討している国もニュージーランドや欧州のなかから次々出てきている。


さて日本はどうかというと、今のところそうした規制への動きはない。政治家も官僚も子供たちが苦しもうが犯罪に巻き込まれようが、知ったことじゃないのか。

ボクは、日本ではSNSを完全に使えなくしてしまえばいいと思っている。つまり、年齢を問わずだ。自分がSNSと呼ばれるものをやっていないからというのもあるが、SNSをやって得られるプラス面と、そのことで個人や社会が被っているマイナス面を考えたとき、はるかにマイナスの方が大きいと考えるから。

若い人たちのなかには、SNSが使えなくなると友達とのやりとりができなくなると心配する人たちがいるが、以前はもともとSNSなんてなかった。連絡が必要な時は、普通に電話をした。それでいいじゃないか。なんなら手紙を書いたっていいんだよ。Eメールもあるし。

もし国民すべてにおいてが無理であれば、まずは未成年のSNS利用を禁止すればいい。オーストラリアや他の国が16歳未満と言うのであれば、日本では20歳未満というのが妥当なところだろう。

まずは1年やってみて、どうなるか見てみればいい。最初は不便だとかなんだとか不満も多いだろうが、どうせすぐに慣れてしまうはず。

自分だけSNSが使えなくなると友人間のやりとりで除け者にされ、たちまち阻害感を抱いてしまうような若い人たちも、周りも一斉に使えなくなればそんな心配をする必要もない。

SNSを運営する企業は、そうした規制に対して「言論の自由を犯すものだ」などとやけに大げさな言い方で反発してるようだが、ただ彼らの商売のネタが一つ無くなるだけの話で説得力はない。

オーストラリアのアルバニージー首相は、「これは、『もうたくさんだ』というオーストラリアの意思表示だ」と述べる。また「オーストラリアが世界をリードしてきたほかの偉大な改革とともに、これが受け入れられるだろうと、私は考えている」とも。

赤信号みんなで渡れば怖くないんじゃないが、日本でもSNSなんてみんなでやめてしまえばよいのだ。それが、ささやかながら今の日本を少しでも明るくする方法のひとつであることは間違いない。

2025-12-09

The 67 Most Stylish People of 2025

ニューヨーク・タイムズが、The 67 Most Stylish People of 2025を発表。映画スターやラッパー、ロックスターなど多士済々で、スポーツ界からは数少ないなかでドジャーズの大谷翔平が選ばれているのが嬉しい。メキシコの大統領、クラウディア・シェインバウムも選ばれてた。

 
そのなかで、僕が一番気に入ったのがこの彼だ。これは、ニューヨークのメトロポリタン美術館のガラでの風景。すげえ笑える。