2025年1月10日

スポットワークという働き方

明日の午前中だけとか、お昼過ぎから午後の遅い時間までといったちょっとしたスキマ時間(空き時間)を使って仕事をするのをスポットワークと呼ぶらしい。

要はスマホのアプリを使ってのマッチング・サービスというだけで、昔から学生が授業のない時間をバイトに費やしていたのと何ら違いはない。が、どうもバイトするのは今は学生だけではないそうで、定職をもつ30代から40代がその働き手というパターンである。そこは変わった。

リモートワークで会社に行く必要がないので、うまくやり繰りして時間をつくり、数時間だけ働いて小銭を稼いでいる、というイメージだ。仕事は物流、飲食、小売りなどの業界が多い。

どこも人手が足りていない世の中らしいので、こうした働き手も企業や店側にとってはありがたいわけだ。 

ただし、「スポットワークがお試しとなり、適職にたどり着く手段にもなりうる」とか「個人が仕事との向き合い方を再考し、組み立て直す糸口にもスポットワークはなる」といった一部の識者の考えには僕は同意しない。

空いた夕方の2時間を時間給でもって近くの飲食店で働いたのがきっかけでその道に目覚めました、っていうのがあってももちろん構わない。だが、ふつう仕事ってそんなもんじゃないだろうと思う。

そんなことより個人的には、飲食店でメニューについて訊ねてもまともに答えられなかったり、小売店で商品の棚の場所を聞いても何も案内できない店員が最近増えたと感じるのは、彼らがスポットワーカーだからなのか・・・と、そっちの方が気になる。

そもそも、そのスポットワークをやりたくてやっているのなら別だが、本来なら企業の中堅である30代〜40代のサラリーマンが技能も経験も不要だからという理由でスキマバイトをやっているのは残念なこと。

空いている時間があったら、ちゃんとした本を読む、思索を深めるなど自分の内面を磨き、高めることに時間とエネルギーを投資した方が、目先の小遣い稼ぎをやるより結局ははるかに大きなリターンが得られるのは間違いないのだから。

こうした投資についての基本的な考えを持っているかどうかが、人生の質を左右する。