政府が、大阪府と大阪市が申請したIR(カジノを中心とする統合型リゾート)の計画を認定した。
この施設は2029年の開業が予定されており、大阪湾の人口島に建設される。初期投資だけで1兆円を越えるカネが投入されるらしく、関係者はウハウハだ。
計画によると、来場者数は年間2,000万人、売上高5,200億円(そのうち4200億円がカジノ)と表明されている。関西エリアの経済効果は年間1兆1,000億円、雇用創出は9万3,000人、大阪府と大阪市へ運営者から年間1,060億円の税金が見込まれるとか。
やけに話としては景気がいいが、当然、首をひねってしまう。
まず、年間2,000万人もの客をどうやって大阪の埋め立て地に呼び込めるのか。これから日本は人口が減少していく。かつてのような経済成長の勢いももうない。
好況期の1983年にオープンしたあの東京ディズニー・ランドですら、年間2,000万人の来場者を実現するのに20年かかった。2001年に隣接する地にディズニー・シーをオープンして、やっと年間来園者2,000万人を越えている。https://www.olc.co.jp/ja/tdr/guest.html
開業後の経済効果が年1.1兆円あるとしているのもハッタリ、眉唾だと言っておこう。大阪府と市は、その計算式を明らかにし、きちんと説明することが必要だ。
捕らぬ狸の何とかで計画を認め、蓋を開けてみるとやっぱり思ったようには行かず、かといって止めに止められず、最後の最後、破綻して国民に多大な犠牲と負担をかけるようになるのではないのか。
どこかで見た風景が甦ってくる。