沢野ひとしさんに倣い、ぼくも毎朝10分の時間を区切り身の回りの片付けをすることにした。10分しかやらないのが秘訣。
この際の片付けとは、あるものをあるべき場所に戻してやること、もしくはなくしてしまうこと。できれば後者で行きたいと思いながらの10分である。
ものを捨てるのは難しい。これは世界中で古来から思われていることに違いない。つまり、人間の性(さが)に強く根付いている。断捨離や、片付けに人生のときめきという表現が使われるのもそのためである。
身の回りがすっきりと片付いていた方がいいと思うか、雑然としていた方が落ち着くかは人それぞれ。どっちでもいいが、身の回りにどんなものがあって、それが必要かどうかくらいは分かっていた方がいい。だから、普段目が行かない本棚の棚にある書籍などを引き抜いてみる。
本の間に挟まれて岩波書店の『図書』が出てきた。表紙をめくると沢木耕太郎のコラムとその号の目次があらわれた。きら星のような書き手がならんでいる。
定期購読のための払込み用紙が挟み込まれており、購読料は送料込みで1年間1000円。これって、ずいぶん昔から変わってないように思う。確実に赤字のはずだ。
そういえば先日、ある取引銀行が今後、取引明細書の送付を有料にすると言ってきた。「紙の使用を減らし、環境への負荷をなくすため」など相変わらず子供だましの理屈を書いていて、今後は毎月220円の手数料がかかるそう。こちらは年間2640円。
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