猛暑が日本中で止まらない。静岡県内では、なんと40度を超える温度を観察した。国内史上最高気温だ。
熱中症患者の数もうなぎ登りで、昨日は30人の方がなくなった。病院に救急搬送されたなかで、初診時に死亡が確認された数だ。おそらく救急車で病院に運ばれなかった人、そして搬送された人の中でもその後亡くなった方が他にもいるだろう。
だから、実際は30人の数倍の人が熱中症で一日になくなっていることが推察される。武漢型肺炎(COVID-19)で昨日亡くなった人は全国で16人だから、われわれが本当に心配しなければならないのはどっちか分からなくなる。
それにしても、以前からいわれていることではあるけど、日本はもう熱帯に属する国になった。少なくとも夏の季節はそうだ。
昨年の夏、30年前に英国の大学院で一緒だった友人がシンガポールから訪ねて来た。学会出張で東京に来たという。早稲田大学の近くのレストランで食事をしたのだが、シンガポールの天気はどう?と尋ねたら、笑って "Same, same..." と。ややあって、 "Hot, very hot, very very hot..." だって。
つまりシンガポールには四季なんかなく、暑いか、とても暑いか、ものすごく暑いかってことらしい。思わず笑ったが、このところの日本の夏もまったく同じじゃないかと思う。
子どもの頃、夕方になると井戸から水を汲み、庭に打ち水をした。熱気が蒸気としてす〜と消えていき、気持ちよい風が庭に吹くのを感じる一瞬。そのあとは縁台を出して、そこでスイカを切ったり、冷えた麦茶を飲んだり、将棋を指したり。
あの夏の日はどこへいったのだろう。