2019年3月7日

インケン

インケンと聞けば、人はまず陰険という漢字をアタマに思い浮かべるかもしれないが、われわれが呼んでいたインケンは「隠研」のこと。隠居研究会の略称である。

一昨年の秋に日本の新しい隠居を考えるための研究会組織として起ち上げ、一年ほどかけて読書会を中心に、ゲストを招いての講演&討議やフィールドワークなども行った。

隠居というと、古典落語に出てくる横丁のご隠居さんのような存在を連想するかもしれない。しかし、これからの時代にはそれとは様相がまったく異なる新しい隠居の姿があるのではとの個人的な思いが背景にあった。

今後日本人(とりわけ60歳以降)がどのように個人として生き、また社会と関わっていくことができるか、そうしたことを半分真剣に、半分面白がりながら「人生100年時代」(ほんまかいな?)と言われる時代性の中で考えて議論した。

その研究会のメンバーの1人だった藤原智美さんが出された『この先をどう生きるか』(文藝春秋)は、定年前後世代に向けてのそうしたテーマへのひとつの答え、提言である。