本当に原発が必要か。原発は一旦稼働すれば簡単には止めることはできない。稼働すれば、放射性廃棄物が発生する。放射性廃棄物は、ゴミの日にゴミ捨て場においておけば回収されて処分されるというものではない。処分不能な廃棄物である。
経済発展のために安定的で安価なエネルギーが求められている、というのが、今も昔も原発推進派の理屈だが、本当か。僕はそうは思わない。
運営企業である九州電力が、今回の再稼働にあたっての安全対策にかけた費用は3000億円強にのぼっているとの報道を読んだ。そもそもそれほどの莫大な費用をかけなければならないという事実が、原発の危険性を物語っている。
放射能という目に見えず、味も匂いもなく、被曝してもすぐには自覚症状がないやっかいなオバケの正体を冷静に科学的に知れば知るほど、「パンドラの箱」と誰かが呼んだ理由が腑に落ちる。
福島の原発事故では大量の放射性物質が広く放出され、福島を中心に東日本に降り積もった。田畑や住宅地に積もったこれらの汚染物は、表面だけがはぎ取られ集められた。
削り取られた表土である放射性廃棄物は、フレコンバッグと呼ばれる黒い袋に詰められて、福島県内に置かれたままになっている。そのバッグが積み上げられている場所は、福島県内でなんと8万カ所を越えている。それぞれ山をなしている何百何千ものフレコンバッグは、あろうことかすでに破れ始めている。その耐用年数が3年だからだ。
広瀬隆の『東京が壊滅する日』は、原子力や放射能についてそれまで知らなかった数々の真実を教えてくれる。ロスチャイルドやらモルガンやら、ロックフェラーなどの恐ろしく凄まじい支配者の影響力と悪行の数々。原爆開発や原子力推進の裏の決定者が彼らだったとは、まったく知らなかった。
この本の第1章の最初にある「セント・ジョージで起こった恐怖の事件」「パズルを解いた男ポール・クーパー元軍曹」のところだけでも、立ち読みでもよいから目を通してほしい。