2013年7月21日

「創造的人生の持ち時間は10年だ」

スタジオジブリの「風立ちぬ」を観る。アニメを劇場に見に行くのはひさしぶり。

公式ホームページから

子どもたちはもう夏休みなので、劇場は混んでいるかなあとと思いながら予約なしで行ったが、劇場には思ったほどの客が入っていなかった。観客は、ほとんどが大人。その分落ち着いて観ることができた。

零戦の設計者の堀越二郎と小説家の堀辰雄が重ねられている。いろんな意味で夏らしい映画だ。空を駈ける飛行機と青い空、白い雲、避暑地の眩しいほどの緑と小川のせせらぎ。

関東大震災と第二次大戦、そして愛する人の死。それらが一見、淡々と描かれる。運命と言えば運命なのだが、主人公はそうした現実を受けとめ、翻弄されるわけではなく自らの夢を追い続ける。大空への夢である。

二郎は夢の中で、イタリアの飛行機設計家のカプローニと交流する。カプローニが二郎に「創造的人生の持ち時間は10年だ」と語るシーンがある。10年は長いか短いか。それは人によって異なるのだろうが、自分が好きなことに熱中できる時を大切にしろというメッセージである。

カプローニにそう言わせた宮崎駿は、10年を優に超えて創造的な仕事を続けているのがすばらしい。