2011年9月19日

「IT革命は人類にとっては後退だと思う」

今年の夏季ダボスの別名(正式カンファレンス名)は、Annual Meeting of the New Championships 2011という。新興の伸び盛りの企業の経営者が集まって、これからの更なる成長を築いていこうということだ。ただ、なかには胡散臭い連中がその気になって集まっている妙な匂いもなかったわけではない。

彼らが目を向ける成長のチャンスは、新興市場とインターネット(ソーシャル・メディア)のふたつ。

帰国後読んだ本の中で、建築家の安藤忠雄さんが「私はインターネットはやらないし、Eメールもしない」と語っているのを目にしてふと手を止めた。10年前の本ではない。昨年の11月に発行された本だ。

また彼はこうも述べる。「情報機器の発達で、急速な勢いでコンピュータ社会になっていますが、人間が歩むべき方向ではない。違うところに向かっているように思えてなりません。つまり、IT革命は人類にとっては後退だと思う」と。

確かに、IT革命は人類にとって後退をもたらすものかもしれない。そして、特定の目ざとい連中にとって莫大な利益をもたらすものである。