2011年9月20日

反証の仕方

三菱重工業のサーバーが外部から侵入されたという報道を読んだ。新聞は「サイバー攻撃」という言葉を使っている。同社の潜水艦やミサイル、原子力プラントを製造している工場などのサーバーとパソコンが狙われた。情報を抜き取られた痕跡も確認されているらしい。機密性の高い国家レベルの情報が盗み取られている危険性がある。

見つかったウイルスは8〜10種類で、それらを分析したところ中国語簡体字が含まれているらしい。それに対して中国外交部の報道官は記者会見で、「中国政府は一貫してハッカー攻撃に反対している。中国も国外からのハッカー攻撃を受けている主要な被害国であり、中国がハッカー攻撃を仕掛ける拠点との見解は根拠がない」などと述べ、中国の関与を否定したと報じられている。実に素早い反応である。

しかし、こうしたことへの反証は、実は大変難しいのだ。仮に中国の関与が「ある」ことの証明ならば、一例を示せばできる。しかし、中国の関与が「ない」ことを証明するのは、あの広大な国土で13億人の国民すべてを管理しモニターしていないとできない話だからだ。