朝から裏でカラスが騒がしい。群れで鳴いているのではなく、同じ一羽がずっと鳴き続けているみたいだ。
外の空気を吸いがてら通りに出てみると、一羽のカラスが路上に落ちていた。まだ落ちて間もない様子だ。外傷があるようではなく、血も流れていない。なぜ、カラスが死んだのか分からない。 それをすぐ近くから見下ろすように、もう一羽のカラスが電柱の上でずっと鳴き続けている。その鳴き声は、仲間の死を悼んで鳴き続けているようにしか思えない。むせび泣いているのだ。
カラスにはそうした弔いの感情があるのだろうか。