本書の著者は、米国のソフトウェア会社37シグナルズの創業者2人。1999年にウェブデザインコンサルティング会社として創業 し、 世界中で数百万人が利用している優れた製品を生み出している。
彼らのビジネスの哲学は明快だ。 すごい製品やサービスを生み出す最も単純な方法は、 自分が使いたいものを作ること。会社には、 広告も営業もオフィスも事業計画も必要ないと断言する。 もちろん会議など、 彼らにとってはできる限りやらないにこしたことはない。 彼らの製品作りの焦点は、早さ、シンプルさ、使いやすさ、 そして分かりやすさ。本当に重要なことだけ徹底的に追求し、 顧客の琴線に触れるものを作り、ストレートに提供すること。
創造性だけを武器に成長してきたスモールカンパニーの代表選手だ からこその特異性はあるかもしれないが、 マネジメント理論や財務分析よりも働く人のやる気と思い、 顧客とのつながりこそが重要との指摘は今だからこそ新鮮である。 自分で新しい価値を社会に向けて創造し、 自由に能力を生かしたい人は、 気に入った小さなチームで好きな仕事ができるオープンな環境こそ 最優先すべきだと教えてくれる。