2017年9月17日

東京の観光振興を考える有識者会議 8月

先月出席した東京都の会議の様子がYouTubeに掲載されているのを見つけた。



2017年9月9日

単なる欠陥駅では済まない

東横線&副都心線を通勤でよく利用する。そのため渋谷駅は通過はしているが、そこで降りることはめったにない。あまり降りたくないとも思っている。

だが、取材先の企業が渋谷にあれば、仕方なくそこで降りることになる。つい先日、ある企業を訪ねるため東横線の渋谷駅で電車を降り、構内見取り図で自分が目指す方面へ出る出口が15番であることを確認。掲示を探すと14から16の出口方面への矢印があったので、それに沿って進む。

ところが、14番出口の隣が16番になっている。15番出口がない。たまたま近くに東急電鉄の定期券売場を見つけたので、そこに飛び込みどうなっているのか聞いた。14と16とはまったくかけ離れた場所に15があることを案内された。なぜそうなっているのか尋ねたら、「この駅は迷路のようになってしまっていて、複雑すぎて僕たちにもよく分かりません」と言う。

駅員からしてこうだ。 それでも通勤や通学で毎日使用している客は、それなりに「慣れて」麻痺し、そんなものと思っているのかもしれない。

問題は、たまたまこの駅を利用した不慣れな客だ。特に、視覚障害のある人にとっては、この駅は間違いなく地獄である。

案内や表示が不備で統一感がなく、階層が地下何階にも分かれ、階段やホームが信じられないほど狭いこの駅を目が見えない状況で移動できたらオリンピックものだ。他線へのスムーズな乗換などまず不可能。初めて日本に来た海外からの観光客たちも、間違いなく途方に暮れる。

新宿駅や池袋駅、東京駅といった他のターミナル駅に比べて白杖の人や車椅子の人が極端に少ないのは、そうしたことが理由なのだ。彼らは自らのことであり、よく知っている。

構造が分かりづらく不親切なだけでない、視覚障害者用の点字ブロックの設置の仕方もおかしい。下の写真では、一般の歩行者用通路は左側通行で両方向の流れが設置されていて対面でぶつからないようにしているが、点字ブロックは片側に一本だけしかない。


しかも、杖を頼りにあるく盲人用の点字ブロックと建物の壁面は、50センチも離れておらず、危険極まりない。障害者は端っこを歩いてろ、と言わんばかりである。

バリアフリー? いちおうちゃんとやってまっせ、という電鉄会社の言い訳だけがそこに見える。

こうした駅の仕組みが視覚障害者などにとって不都合であることを具体的な例を挙げて駅員に説明したが、その時返ってきたのが先の「複雑すぎて、僕たちにもよく分かりません」という情けない返答だった。

こんなとんでもない駅が今どきあること自体が許せない気分だ。入場無料のStation Jazzも結構だが、その前にすぐにでもやることがあるだろう。

2017年9月3日

月を見てから寝床に入る

しばらく前から、睡眠を管理するためのアプリを使っている。

寝入りばなは静かなBGMで眠りを誘い、朝は設定した目覚まし時間を参考にしながらレム睡眠のタイミングで起こしてくれる。睡眠中の覚醒の波(度合い)も記録し、朝目覚めたときにその日の睡眠の快眠度を数値で示してくれる。

スマホは厳密な診断機器ではないので、いずれの値もどこまで正確なものかわからないが、自分の睡眠の質を改善していくための参考にはなると思っている。

そのアプリの診断のひとつが、月齢と快眠度の関係。僕の場合は、月齢で7から23あたりが快眠度が高いことがはっきりと分かる。三日月が上弦の月になる頃から下弦の月にいたる手前あたりである。


ただし、月の満ち欠けと人体の関係についての科学的な証明はなされていない。

スイスのバーゼル大学で行われた研究では、満月の時に人間の睡眠は乱されるとの研究結果が出ている。僕の場合は、満月の頃ぐっすり眠れているらしく、それとは傾向が逆だ。


2017年9月2日

民止党代表決定

民進党が臨時党大会を開き、そこで代表に前原なにがしが決まったらしい。蓮舫も政治家としての色気(女性の色気ではない)に欠けた代表だったが、それにも増して冴えないサイテーの人物を党首に選んだものである。進歩がない政党である。

2017年8月30日

越えられる人間の知性、越えられない子ガメの野性

鹿児島県・屋久島の北東部にある永田集落のいなか浜は、北半球最大のアオウミガメの産卵地として知られている。今日の昼間、まぶしい日射しのなか訪ねてみた。


アカウミガメの産卵の時期のピークは、5月から7月。だから、僕が行ったこの時期はもう産卵が終わり、浜の陸地に近いあたりには砂浜に細い棒が何本も立てられていた。

ここにウミガメの卵が埋まっているから立ち寄らないでね、という意味で地元の人たちが立てた印である。

60日ほどで孵化するので、ちょうど砂の下で卵は孵化している最中のはず。一匹のアカウミガメから一度に生み付けられる卵の数は100から140個。殻を破って出てくるのは夜中だけ。外敵から身を守るためだろう。砂の表面の温度の変化から時間帯を知って、這い出てくるのだという。

3日から7日間かけて地表に出てきた子ガメたちは、夜を待って巣穴から一斉に這い出し一目散に海に向かう。その後は広い太平洋で回遊生活を送り、若い頃は海を渡った北米大陸の沿岸で過ごしているという。

30年ほどで成人ガメになり、また屋久島の浜に産卵のため戻って来るのである。いつもは海中で暮らしているので、浜に上がってくるのは産卵の時だけだ。

それにしても、彼らが生まれながらに備えているコンパスというかGPS機能はすばらしい。子ガメは海を見たことがないのに、どうやって砂から這い出した後、海の方向が分かるのか。そして30年も経ってどうやって自分が生まれた屋久島の場所を知ることができるのか、本当に不思議だ。

2045年にはAI(人工知能)が人間の知性を越えるシンギュラリティ(技術的特異点)がやって来るとか聞かされると、僕はちっぽけな子ガメの姿を思い浮かべ、ケッと思う。

2017年8月26日

鹿児島桜島

ゼミ合宿で初めて訪れた鹿児島。その中心にある桜島の姿。



2017年8月20日

支援します。

先日、それまでWBC世界バンタム級のチャンピオンだった山中慎介選手が、13回目の連続防衛を目指した世界タイトルマッチが行われた。結果は残念ながら、山中のTKO負けである。

相手の選手は、メキシコ人のルイス・ネリ、22歳。同ランキング第1位の選手で、23選全勝のボクサーである。ちなみに、山中選手は34歳。

第4ラウンド、残りあと30秒でセコンドにいるトレーナーから投げ入れられたタオル。本人は終わったあと、もう少しやれたと思っただろうが、それはそれで仕方がない。

話は変わるが、金曜日の新聞に全面の意見広告が掲載されていた。袴田さんの事件の再審の早期開始を求める内容だ。

一番下に記載されている広告主に目が行ったのだが、そこに日本プロボクシング協会袴田巌支援委員会という文字を見つけた。


1966年に袴田さんが、その後「袴田事件」といわれる不当逮捕でつかまったとき、彼はプロボクサーだった。彼が検察から「狙われた」理由のひとつとして言われているのが、ボクサーという職業への偏見だった。

そんな袴田さんを支援する輪の中の1つに、WBC(世界ボクシング評議会)がある。僕は知らなかったが、WBCは袴田さんに名誉チャンピオンベルトを贈り、その支援を明らかにしている。

僕も支援のいくばくかの金を送金した。

*今年5月に行われた村田ーエンダムのミドル級タイトルマッチを行い、とんでもない判定をパナマ人ジャッジが行ったWBAは、WBCとは別の団体である。

2017年8月19日

情報操作

今朝の日本経済新聞の第1面は、「米労働市場に異変」という見出しの記事だった。サブタイトルは「働き盛りの男性の参加率 主要国最低」。

そこに添えられていたのが、トランプ大統領の写真と下記のグラフである。


これは、つねづね学生たちに対して注意しなければならないバイアスのかかったグラフだと示している作図の仕方の典型例である。

このグラフから言えることは、ここで示されたOECD5カ国の中で2016年では日本が最高(約95%)、米国が最低(約89%)、そしてフランス、ドイツ、英国の欧州勢がその中間(約92〜93%)であること。あと2009年から米国の数値がそれまでと比べて急に下がって来たこと。

ただ、この図を見ると、誰もが米国の近年の数値が他国に比べて極端に低いと感じるに違いない。その理由は明らかで、グラフの縦軸の数値が0から始まるところが88から始まっているからである。

新聞社が、こんな作図をしては絶対にだめ。社内で誰も指摘しないまま、こんなものが1面トップ記事に掲載されてしまう日本の新聞社のダメさ加減が出ている。

捏造ではないが、ある意味での「操作」であると捉えられてもしかたない。データの最も基本的な扱いすら分かっていないことが読者に明らかになってしまったね。

2017年8月15日

日本の教育はどこへ行く

大学入試改革で、英語に関して読む、聞く、書く、話すの4技能のテストが導入されるらしい。

日本学術振興会理事長の安西祐一郎氏(前慶応大学塾長)は、その改革の意味について先日の新聞紙上で次のように述べている。
これからの時代には自分の思考内容を明確にし、それを論旨明快に相手に伝える方法の1つとして、英語力を身につけることが肝要だからである。高校や大学では、英語は主体的に思考、判断、表現する方法の1つと考えるべきであり、書く・話す鍛錬が極めて重要になる。
彼が言っている「これからの時代」とは何なのか、分からない。思考内容を明確にすることや、それを相手に伝えることと英語力はどういう関係があるのかも分からないし、なぜそれが肝要であると主張できるのかも理解できない。

英語が主体的に思考、判断、表現する手段の1つ、という彼の考えもまた意味不明である。英語は言語の1つとして表現の1つではあるが、それが思考やまして判断の手段だと述べる意図はどこにあるのだろう。

このように日本語でも何を言っているのか分からない大人が多いのに(たぶん本人はそれに気づいていないのがいっそう残念)、どうして高校生たちに入試で過大な負荷を負わせたがるのか。論理的な思考や判断、その表現は母国語で鍛えるのが基本だろう。

なぜなら、日本語で考えたり表現できない内容を外国語で伝えることができないのは明らかだからだ。

こうした奇妙な「改革」で喜ぶのは、受験業者、英会話学校、帰国子女だ。高校時代の夏休みに欧米に語学留学に出かけることができる親の経済力がある子供と、そうでない子供の格差も確実に拡がってくことが予想される。どんな阿呆でも若い時に英語環境で暮らせば、それなりに聞け、話せるようになる。話す中身は別としても。

このようなしょうもない入試改革を発想する連中は、自らが大いなる英語コンプレックスと白人コンプレックスを胸に抱えて生きてきた人たちなんだと思う。


2017年8月14日

中国からの攻撃が続く

8月11日の早朝、大学のメールシステムから、まもなく割り当てのサーバー容量に達してメールが使えなくなりますというメールが来た。

もともと大学の個人割り当ての容量は2Gバイトと少ないのではあるが、それでもまだそんなはずはないはず。ところが確認してみると、何千というメールが来ている。驚いている間も次から次へと来ているではないか。

件名は長々と漢字の羅列。簡体字が多いので、どうもいずれも中国かららしいと思い調べたら、やはりそれらの多くはqq.com(テンセント)や126.comという中国のフリーメールからの発信だった。


それにしても人迷惑な。それら中国のドメインや件名の共通項をフィルタにしてメールを即時破棄にするように設定したが、どういうわけか大学のそうしたシステムの精度はあまりよくない。今もフィルタにかからず着信するメールが山のようにあるので困ったものである。

さらに困った(つまり「やられた」)のは、大学のアドレス宛のメールを転送している先のGmailのアドレスが、短期間にあまりにも大量のメールを受信したということで、メールの受信に制限をかけられてしまい、一切届かなくなった。

さらに悪いことには、8月11日から20日までは大学が一斉休業に入るため、通常であればこうしたことに対応してくれるITサポートの手助けも21日まで待つしかない。このタイミング、狙ったか?

特定の誰に文句を言えばいいというのではないのが、腹立たしい。

2017年8月5日

意味のない形式主義が日本の生産性を下げる

2か月に一度送られてくる水道料金の支払いをクレジットカード払いにした。

引っ越して来てから2年近く毎回コンビニで支払いを済ませていて特段面倒というほどのこともなかったが、省けるルーティーンの手間は省こうというくらいの考えだった。

水道局の担当部署に連絡して支払い方法変更のための用紙(はがき)を送ってもらった。必要事項を記入して送付。これで完了かと思ったら、簡易書留で送り返されてきた(そのために不在配達書に日時を書き込み、後日自宅待機して受け取った)。

必要事項の記載に漏れがあるので、記入の上で再度送るようにと書かれた添え状が付いている。

記載が漏れていたのは、名前の「フリガナ」欄だった。といっても、名前の欄にはクレジットカードの名義人名を書くようになっていたので、名前はカタカタで記入しておいた。だから、あえてフリガナを振る必要は無いと判断して記入しなかったのだ。

しかし、そこが空欄だから処理できないと送り返されたきたわけだ。

単に形式的なものをそろえるために余計な時間とコストをかけていることに、どうして疑問をもたないのだろう。

2017年7月15日

即日売り切れ

週刊文春の表紙は、長年にわたってイラストレーターの和田誠さんが描いている。独特の暖かなタッチ。和田さんの絵は、それとすぐ分かる。

きわどいスクープを連発している週刊文春が、一方で常識と普遍性のようなものを読者に感じさせているとしたら、その半分くらいは和田誠の描く表紙が影響しているように思う。

その和田さんの描く表紙が、2000回を迎えた。40年間である。それが、毎週毎週だ。すごいとしか言いようがない。しかも、その表紙の絵を見る限り、和田さんは毎週頭をひねりつつ楽しみながら書いている(に違いないように僕には思える)。

2000回を記念してメモリアルクロックなるものを週刊文春と和田さんが売り出したのだが、申込をしたところ即日「完売」ということだった。

台数限定販売なのは分かっていたが、即日完売とは。全国に大勢の和田誠ファンがいることを忘れていた。しまった。