2013年11月17日

Croeso i Gymru!

ロンドン・ヒースロー空港からバスでカーディフへ。車はM4(国道4号線)を西に向かって走り、セバン川を渡ったところでイングランドからウェールズになる。するとまもなく Croesso i Gymru! と書いた看板が目に入る。Croesso i Gymru! は、Welcome to Wales!(ウェールズにようこそ!)の意味。

ここでは、道路標識や公共の掲示はウェールズ語と英語の併記が法律で決められている。ウェールズ語では英語のtaxisをtacsisと表記するように、比較的新しい言葉は英語に似ているが、そうではない言葉は表記も発音もまったく別ものである。

 
駅の出口に掲げられている表示


ウェールズに入った日、学生時代の友人が息子を連れてバス・ステーションへ迎えに来てくれた。The Mill House というのが彼の家の住所で、その名の通りかつては地域の製粉工場として使われていた建物に一家で住んでいる。

子どもたちは学校でウェールズ語を必修の第二言語として学んでいるのだが、それをあまり好んではいないようだった。ウェールズ語を習得する必要性があるわけではなく、政治的な背景をもとに無理矢理学ばされているからだ。

ウェールズは16世紀の半ばにイングランドに併合され、その後ウェールズ語は劣った言語とみなされて教会以外での使用を禁止されてきた歴史がある。その結果、ウェールズ語を話すことができる人の数は減り続けてきた歴史がある。それへの歯止めをかけるためにウェールズ政府が学校での必修化を決めたのである。

言葉は、人が生きてきた歴史と文化そのものだ。力によってそれを奪われようとしたことへの抵抗の気持ちがあるのは当然のこと。しかし、英語が当たり前となった状況で、ウェールズ語を子どもたちが嫌がるものまた自然なこと。

いったん自分たちの「スタンダード」を奪われると、苦労するのである。