今日会った人が、南相馬市で開催されている相馬野馬追に行った話をしてくれた。馬を目当てに見に行ったらしいが、現地での猛烈な暑さで何頭か馬が死んだんじゃないかと言っていた。
歴史のある行事ではあるが、時期をずらすという、ちょっとした工夫がなぜできないのか。ちょっと立ち止まって考えれば分かるはずのことが、「慣性」に浸って生きていると分からなくなる。そして、過ぎ去ってから、(少し)反省する。
それにしても、このところの連日の猛暑は異常だ。と思っていたら、それもそのはず、12万年5000年ぶりの高温を記録しているという。
なんだそれは、と思ってしまうのもの無理はないが、古気候学(太古の気候を研究する学問領域)の専門家によると、12万5000年前の地球は2つの氷河期の間に位置し、「直近でもっとも暑くなった時期」にあたる。これは古気候学にもとづいてデータを収集し、気候モデルを作成している機関(アメリカ地質調査所)の分析による。
ところが、今年7月の地球の気温はそれにまさる暑さなのだ。異次元の暑さ。米アリゾナ州ではサボテンが暑さで枯れ始めたらしい。
そのなか、日本では例によって夏の甲子園大会の地方戦が行われている。大会を主催している新聞社(朝日)、高野連、NHKの幹部の脳みそは溶けて働いていないのだろう。しかし、利権を守るというその考えは堅固で揺るがない。
グラウンドで試合をする選手はもちろん、スタンドの観客、関係者らも命がけである。なぜそうまでしてこの時期、日中の屋外で行うのか。人の命や健康を考えれば、つまり冷静に常識でものを考えればヘンだということに気づくだろう。
夏の甲子園大会が始まったのは1915年(大正4年)。その頃の夏の気温は、今とは全然異なる。これは東京のデータではあるが、気象庁によれば1915年8月の平均気温は25.7度、最高気温でも29.7度だ。
命を大切にするには、今の時期は室内で静かに体力を温存するようにしておくのが一番。人間の体は気温が35度超え、湿度が60%超えのなかで過ごせるようにはできていない。屋外で激しい運動をさせるなどもっての外だと思う。
これはすべて関係している大人の責任だ。