ちょうど1年前の今日、それまでTBSラジオで土曜日の昼間にやっていた「久米宏 ラジオなんですけど」がほとんど唐突に番組を終了した。
辛辣で真っ当な政権批判、五輪開催への疑問などをほぼ毎週繰り返していたせいだろう。当時の安倍首相を正面からこき下ろしていたからね。僕ですら、これじゃあ官邸が黙ってるはずないと番組に耳を傾けながら思っていたくらいだ。
タイプはまったく違うが、久米は日本のマイケル・ムーアと言えるような存在だと思っている。マイケル・ムーアはジャーナリスト感覚に優れた映画監督、久米は同様にジャーナリスト感覚のあるラジオ・パーソナリティ。どっちにしても、知性と勇気、筋が通った姿勢がないとなかなか務まらない。それとユーモアのセンス。
ジャーナリズム不在の現在の日本のメディア状況。僕が目にする限りにおいてだけど、これはというのがTBSの「報道特集」くらいしかないのは情けない気がする。
それぞれの現場には知性と勇気のある記者やレポーターはいるんだろうけど、筋を通せるプロデューサーがいないってことなのかね。