映像の出来には相変わらず目を見張るものがあるが、ストーリーは相変わらずストレートだ。まさにアメリカの神話学者、ジョーゼフ・キャンベルが『神話の力』で語っているヒーローズ・ジャーニー、すなわち英雄の冒険譚という世界共通の物語をそのままたどる展開になっている。
手に汗握る活劇ではあるけど、終わり方は予想どおりで凡庸。<スターウォーズ>という子供から老人まで、そして世界各国に多くのファンを持つエンターテイメントとしてはその大衆性を重視したところで練りに練った結果として、こうした結末の迎え方にたどり着くのだろうね。
手に汗握る活劇ではあるけど、終わり方は予想どおりで凡庸。<スターウォーズ>という子供から老人まで、そして世界各国に多くのファンを持つエンターテイメントとしてはその大衆性を重視したところで練りに練った結果として、こうした結末の迎え方にたどり着くのだろうね。
最後に主人公のレイが、悪の化身パルパティーノと対決する。ひょっとして、と一瞬思ったが、やはりそこはそれ。それまでの宿敵カイロ・レン(レイの内面としてのシャドー=影)と手をたずさえて、悪の化身パルパティーノと対決し、打ち負かす。正義は勝つ、ではないが、ジャンジャンで終わった。文学性にはまったく欠けている。
映像はよく作りこまれていて、素晴らしい。確か3年前に60歳で亡くなった、この映画の中でレイア姫を演じていたキャリー・フィッシャーが、スクリーンで甦る。それを実現した、これまでの実写映像と3DCGを組み合わせた映像表現には感心させられる。
今後はこうした方法で、今はなきヒーローやヒロインたちが新たなストーリーの上でスクリーンに蘇ってくることが増えてくるのだろう。AIや先端的なテクノロジーが、かつて制作者が夢見ていたことをすでに可能にしている。
ところで今回行った東宝系のシネマ・コンプレックスでは、この作品が3D字幕版、3D吹き替え、2D字幕版、2D吹き替え版、そして僕が見た2D IMAXとなんと5つのスクリーンで同時上演されていた。最後のスターウォーズ、興行会社もよほど力が入っているのだろう。