今朝の「木村達也 ビジネスの森」のゲストは、先週に引き続き『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)の著者・岸見一郎さん。
今を真剣に、そして他者貢献を忘れることなく、全力で生きることこそが大切と、アドラーの考え方をベースに岸見先生はおっしゃる。
深刻に生きるのではない、真剣に生きる。人生はゲームだ、その時を楽しめ、失敗しても命まで取られることはない。
アドラーは、人生をエネルゲイア的に「今をいきろ」と唱える。エネルゲイアはキーネシスと対でアリストテレスによって提唱された「運動」についての考え。キーネシスとは、目的地に最短距離でたどり着くことを目的とした運動。一方、エネルゲイアの方は、いま行っていること自体に価値を見いだす運動。
前者は、アウトプットや結果が重視されるような活動があげられるのだろう。効率性が優先される。後者では、プロセスそのものに力点が置かれる。効率性は関係なく、その瞬間に充実感を感じられるかどうかだけが意味を持つ。
う〜ん、確かにぼくたちが日々行っている行為(運動)も、エネルゲイア的なものとキーネシス的なものがある。アドラーはそうしたもののなかで、キーネシス的な発想、つまり物事にスタート地点とゴールが設定されているという見方をよしとしない。「今」がすべてなのである。
だから、岸見先生曰く「(いつ死んでも)道半ばということはない。真剣に生きている限りは」。
「いまを生きる」でふと思い出したのは、昨年夏になくなったロビン・ウィリアムズが主演した映画「いまを生きる」だ。ピーター・ウィアーが監督した1989年の作品。原題は Dead Poets Society だが、ロビン・ウィリアムズが演ずる教師のキーティングが劇中で発することば「Carpe Diem」(ラテン語)の日本語訳が邦題に用いられている。 この邦題は悪くない。
今朝の番組で流した一曲は、オリビア・ニュートン・ジョンの「そよ風の誘惑」。