2013年10月26日

「偽装」それとも「誤表示」

阪急阪神ホテルズで、レストランのメニューの表示が不正だったニュース。社長は、記者会見で偽装ではなく、誤表示だと主張していた。彼によると、だます意図を持っていたのなら偽装だが、今回は無知によって発生したものなので誤表示だという。

偽装を認めれば、経営者の責任が問われる。それを考えて現場の社員の「無知」のせいにしたのだろうが、「あのホテルの従業員(レストランスタッフ)は、芝エビとバナメイエビの違いや九条ネギと白ネギの違いも分からないで調理していたのか」と顧客や一般市民に思わせることになるのが分かっていないのだろうか。このことは、ホテルそのものの信用を大幅に損なうことになる。

つまり、その社長は自分が経営を任されている企業より、自分の責任回避を優先させたわけである。株主たちは今後、その点をしっかり追求すべきだろう。

それともう1つ、テレビの記者会見で驚いたのは、リッツ・カールトンホテル大阪の総支配人だというフランス人は日本語が理解できないこと。よくそれで日本にあるホテルのトップマネジメントが務まるものだ。

今回のいくつかの問題、次回のサービスマーケティング研究の授業で大学院生たちと議論してみよう。

 (追記)10月28日、阪急阪神ホテルズの社長が辞任した。辞めるのではなく、経営責任者として他にすべきことがたくさんあると思うのだが。日本ではなぜ経営者の責任の取り方が、こうワンパターンなのだろう。